スケルトン・キー

読んだ本

道尾秀介さんの『スケルトン・キー』を読みました。

道尾さんの小説は、ちょっと前になるんですが、『背の眼』『カラスの親指』『向日葵の咲かない夏』を読んだことがあります。
この『スケルトン・キー』も読んだことがあったんですが、結構前だったので再読してみました。

…で、読んだことがあるはずだったのに、肝心な『片割れ』のことを忘れてしまっていたので、途中でものすごくびっくりしました…。

児童養護施設で育った青年・錠也は、雑誌記者の間戸村に雇われて芸能人の尾行などの『ちょっと危険』な仕事をして生計を立てています。
錠也は生まれつき『恐怖』の感情がなく、いわゆる『サイコパス』である可能性が高い人物です。
この日も政田という芸能人を尾行し、彼が若手女優と『男女関係』にあるというネタを掴みます。
錠也は幼い頃に施設・青光園に引き取られています。
彼の母親は錠也を身ごもってパブで働いているとき、散弾銃を持ってパブに押し入ってきた男に撃たれてしまいました。
彼女はなんとか錠也を産みますが、その後で亡くなってしまいました。
その母から形見としてもらった古い銅製のキーを、いつも肌見放さず持っていました。
ある日、一緒に施設で育った順平、通称『うどん』から会いたいと電話をもらいます。
そこでうどんから「自分の父親は人を殺して刑務所に入っていたんだけど、その殺した相手が錠也のおお母さんだった」と聞かされます。
「僕は自分から何かを奪う人間を許さない」、錠也はうどんの父親を殺しに行き、目的を遂げてしまいます。

こう書くと、錠也はやべー人物のように思えるんですが、いや、実際やべー人物なんですが、話が終盤に行くに連れて『やばくない人』を探す方が大変になってきます。
間戸村さんと、同じ施設にいた『ひかり』さんくらいじゃないか…?
そして、錠也は人を殺してしまったものの、そこまでやばくない人の方に分類されます、私の中では。
本当に頭がいっちゃってる人ばっかりでですね…。

物語の最後、後日談のようにしてみんなで施設に行く過程で、「この人本当に『錠也』なの…?」としばらく信じられませんでしたね…。
本当は違うんじゃないかと思って、いつおっぱじまるかと思ってビクビクしていました。
『錠也』の過去の回想が出てきているので、ようやく安心できましたけど。

最終章のはじめに出てくる『砂山のパラドックス』の話、『ワインに泥水』バージョンで聞いたことがありました。
Wikipedia みたらいろんなパターンがあるんですね。

道尾さんの小説は久しぶりだったので、また他のも読んでみようと思います。

Kindle Unlimited で読みました。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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