県警出動 遺恨の報酬

読んだ本

麻野涼さんの『県警出動 遺恨の報酬』を読みました。
先日の『県警出動 黒いオルフェの呪い』の続刊です。

県警出動 黒いオルフェの呪い
麻野涼さんの『県警出動 黒いオルフェの呪い』を読みました。先日の『県警出動 時効未遂』の続刊です。 『県警出動』シリーズも3つ目となりました。前回、飛躍的な進化をみせた(?)塩野くんがどうなったかが気になるところです。表紙は金網と有刺鉄線の...

ついに『県警出動』も4巻目。『最終巻』と銘打っているわけではありませんが、この4巻が2018年に出てから次の『県警出動』は出ていないんですよね…。
財津さんと塩野くんのコンビが本当に良くて。塩野くんの成長が本当に目覚ましい。1巻の最初で遺体を見ることに抵抗していた人と同一人物だとは思えないです。
表紙は…これは学校でしょうか? 私が住んでいるの区の区役所の外観に似ているんですが、まぁ今回は学校が関わってくるから、きっと学校なんだと思います。

群馬県高崎市の中学校で、授業中に男子生徒が自殺するという事件が起きました。自殺した大橋稔の両親は、「息子がいじめられている」と担任の安住に何度も相談していたとのこと。
それから数ヶ月後、40代の介護福祉士の女性・設楽奈美の遺体が見つかりました。他殺を疑うような形跡は見つからず、事故死とほぼ断定。しかし、「ごめん、リカコ」という文字が運転席のシートに書かれていました。
そしてまたそれから数ヶ月後、国道で乗用車同士の正面衝突事故が発生します。被害者は、自殺した大橋稔の担任だった安住。そして、死亡した加害者は稔の父親の大橋仁一でした。しかも、仁一の運転していた車は、大橋の車に一直線に向かっていったように見えたそうです。
それからも次々に、一見何も関係のなさそうな不可解な事件が続けておきます。弁護士の駅ホームからの突き飛ばし転落事故、新宿のバーの経営者の失踪、工事現場の作業ミス。捜査の過程で弁護士・工藤とバーの経営者丸山涼子、介護福祉士の設楽奈美、工事現場で怪我を負いそうになった社長の婦人・関口真理子、教師の安住が同級生であることが判明します。
大橋稔の自殺、そして同級生5人が関わったある女生徒の死。それらの事件が一つに繋がります。

中学生という精神状態がまだ安定していない年齢で、起きてしまった『いじめ』や『自殺』。痛ましくつらいです。自分が子供の時は、幸いそういう目に遭わなかったんですが、どうやれば回避できるのかがわからないですね。自分の子供が加害者・被害者になる可能性もあるわけで、どのように伝えていけばいいのか…。大人の世界にだっていじめはあるんですから、子供の世界にないわけないですよね…。被害者になりそうだったら逃げる。加害者になりそうだったら隔離して自分や物事を俯瞰することを教える。口では簡単に言えても、当事者になったら難しいんだろうな。
そういう遺恨が残ってしまって、こう言う事件に繋がっているんですもんね…。

『県警出動』の最後の事件は悲しいものになってしまいましたが、読み応えとしては大満足でした。続編も期待したいなぁ。

Kindle Unlimited で読みました。

[AD]県警出動 遺恨の報酬
[AD]Kindle Unlimited
さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
読んだ本
さちこをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました