ふたたび嗤う淑女

読んだ本

中山七里さんの『ふたたび嗤う淑女』を読みました。
先日の『嗤う淑女』の続編です。

嗤う淑女
中山七里さんの『嗤う淑女』を読みました。中山さんの小説は先日の『毒島刑事最後の事件』以来です。 一人の女性が次々と周りの人を巻き込んで不幸にしていくという話ですが、なんとなく東野圭吾さんの『白夜行』を思い浮かべながら読んでいました。白夜行は...

いやー、今回のはなー…、またなんというか、胸糞悪いと言うか。
ここまで壮大な計画を完遂したというのに、
その動機は『趣味』みたいなものだから。
恐ろしい女です。

今回も前作と同様の章仕立てになっていて、
これまた同様に章には人名が冠されています。
前回から引き続き、今回も野々宮恭子こと蒲生美智留が主人公です。
彼女は前回の最後に『野々宮恭子』になってそのまま生活を続け、
今は神崎亜香里という女性をアシスタントとしています。
今回はその亜香里を通してクライアントたちと接触を図り、
また一人一人とその人生を弄んでいきます。

面白かったのは第2章、新興宗教の教団の話です。
宗教の教えを書籍化して信者に売る、という話なんですが、
なんか既視感があるなぁ、と思ったら
以前読んだ中山さんの『笑えシャイロック』にあった話なんですよね。
あっちでは、「以前試した方法」としてこの話が紹介されています。
なるほど、ここからつながっていたのかー、と。
やっぱり、こういうことがたくさんあるから
中山さんの小説は油断できません。

そして最後、ついに美智留も最期を迎えるか…と思ったら。
まーじーかーよー! と唸ってしまいました。
たしかに、『野暮ったい化粧』が何度も強調されていて、
何なら「そんなに何度も言ってあげないでよ…」とかわいそうに思っていたんですが、
まさかの…。
いやー、おそろしい。

ただ、上にも書きましたが、
動機が『趣味』なのがちょっと悲しかったです。
そういう性格だから、と言ってしまえばそうなんですが、
私自身こんなのに巻き込まれちゃったら…と思うと看過できないというか。
小説として読んでいる分にはおもしろいんですけどね。
現実にこんな女性がいませんように。

Kindle Unlimited で読みました。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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