本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生I

読んだ本

香月美夜さんの『本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生I』を読みました。
香月さんの小説は『本好きの下剋上 33巻』以来です。

本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 小説33巻
香月美夜さんの『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 小説33巻』を読みました。前回から7ヶ月ほど。長かった…。現在、個人的に『みーくんまーちゃん祭り』だったんですが、昨日から楽しみすぎて行動が不審になっていましたし、...

今は個人的に『宮部みゆき祭 in Audible』の開催中だったんですが、本好きの下剋上の新刊がでたとあって、差し込みで読みました。
今回もおもしろかったです!

タイトル通り、ダンケルフェルガーの姫君・ハンネローレが主人公の話です。
時期としては33巻のあと、ローゼマインがアウブ・アレキサンドリアとなりフェルディナンド様と婚約してからの、新学期の話でした。
ハンネローレといえば、ダンケルフェルガーとエーレンフェストのディッター勝負のとき、ヴィルフリートの手を取ってエーレンフェストに勝利をもたらした、つまり、彼女の自領であるダンケルフェルガーを敗北させた、という人物です。
自他ともに認める『間が悪い』人物。
今回も、それが十分に効いているようでした。

表紙は中心にハンネローレ。
上にいるのはローゼマインですね。
すっかり大人っぽくなってしまったので、正直違和感がありますが…仕方ない、慣れなくては。
左側の金髪がおなじみヴィルフリート。
今回はあんまりいいところがなかった…ような?
下の紫の髪がオルトヴィーン。
ローゼマイン・ハンネローレ・ヴィルフリートと同学年で、ドレヴァンヒェルの領主候補生です。
右下の緑色の髪がケントリプス。
今回の巻ではじめましての子ですよね…?
ハンネローレの1個上で、彼女の兄・絵が大好きなレスティラウトの側近の上級貴族です。
私的には、彼が一番いいのでは…と思いますが、いかがでしょう?
最後が茶色? オレンジ? の髪はラザンタルク。
三度の飯よりディッターが好きそうな、おこちゃま騎士です。

…いやー、急にたくさんカタカナの男の子の名前がいっぱい出てきて、ちょっと大変でした。

今回、ローゼマインはほとんど出番がない感じで、ちょっとさみしいような。
フェルディナンドはもっともっと出番がないので残念でしたね。
まぁ、溢れんばかりの愛をローゼマインに捧ぐさまは、なんだか微笑ましいというか怖いというか…。

一方で、今回の主人公であるハンネローレ。
彼女も十分に優秀なんですが、今まではローゼマイン視点だったからちょっと霞んじゃってましたね。
彼女の生来の性格であるおどおどしやすかったり内向的だったりするのも相まって、今まではめんどくさそうな感じでしたが、今回はなかなかの大冒険でした。

兄の側近の2人を婚約者候補にあげらたものの、ずーーーーっとハンネローレの心のなかにはヴィルフリートがいる状態です。
彼女の視点になって初めて、彼女とヴィルフリートがダンケルフェルガーの中でどんな見られ方をしていたかがよくわかりました。
かなり、かーなーりかわいそうな感じだったんですね…。
ヴィルフリートがローゼマインと婚約をしていた時からほのかに淡い恋心をずっと抱いていましたが、それを表すこともできずうじうじ。
まー、この正確じゃ、体育会系ダンケルフェルガーの中だとかなり浮いちゃってたでしょうねー。
あ、でも、兄であるレスティラウトも、実は結構内向的な感じの人だから、そういう意味では大丈夫なのかな。
父親も周りも側近も、みんなハンネローレのその性格分かっていて、「このまま行くとなし崩し的にラザンタルクが婚約者になる」っていう共通認識があるのが笑っちゃいました。
みんな、姫様をよくわかってらっしゃる。

そんな中で、ローゼマインのように時の女神が降臨してしまって、『女神の化身その2』みたいな扱いになってしまいました。
そして、『本好きの下剋上』らしく女神からのご褒美で過去に戻る…と。
しかも、それが実を結ばなかったところが、また良かったですね。
ヴィルフリートの別の一面が見られたこと、自分自身がどれだけ周りに愛されていたかということ、この1年で自分も含めみんながどれだけ成長してきたかということ、それらがわかったのが大きな収穫ですねー。
「自分の記憶だけは消さないでほしい」と願ったところもよかったです。

女神降臨騒動から、いろんなところからディッターの申し込み…じゃなくて婚約の申し込みが殺到していましたね。
騎士たちにとっては嬉しい悲鳴かもしれませんが、当のハンネローレにとっては悪夢でしょうねー。
というか、ダンケルフェルガーがここまでこんなにディッターディッターしているとは、予想の範囲外でした。
みんなが脳筋なのか…1位の領地なのに大丈夫なのか…?
あまりの申込みの多さに、最近流行りの『溺愛漫画』の亜種みたいになってて、何が何だかという感じでした。

それにしても、巻末に出てくる元王族・ジギスヴァルトの横暴さには、相変わらずいやーな気持ちにさせられますね…。
エグランティーヌとアナスタージウスと一緒に祠を巡った時にも思ったんですが、王族はなんでこんなにも周りの人のこと考えられないんでしょうかね。
しかも、ジギスヴァルトはもうすでに王族じゃないにもかかわらずすごく尊大で、それが当然かのような振る舞いです。
まあ、王族とか貴族とかってそういうもんなんだろうなーとは思いますが。
ある意味、王族・貴族の紋切り型なんですかね。
現代の庶民の私には全く関係のない話ですけど。

今回の話で、ハンネローレのヴィルフリート路線はなくなってしまったように思うんですが、ここから逆転はあります…?
ヴィルフリート、幼稚ですけどそこまで悪いやつじゃないから、幸せになってくれればいいなと思うんですが…。
ちょっとやさぐれててペシミストになってる今の感じが、ちょうどいいっちゃちょうどいいんだけど、かわいそうでもあるなと。
若干うざいっていうのもありますけどね。

私としては、上にも書いたんですけど、今のところケントリプスがいいんじゃないかな…と思います。
ああいう、幼いころから見守ってくれていて、自分を大切に思ってくれている人、いいじゃないですか…!
顔もイケメンだし。そもそもイケメンしかいないけど。

いつもはあとがきに「次巻は〇〇頃に発売」のようなことが書いてあるんですが、今回は書いていませんでした。
なので、いつ発売になるのか、とても気になります。
今年中は…無理だろうなぁ…。
早く読みたいですねー。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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