変な家

読んだ本

雨穴さんの『変な家』を読みました。
雨穴さんの小説は初めてです。

先日映画化された小説で、書店のポップとかで盛んに宣伝していたので気になっていました。150万部の大ベストセラーだそうで、うきうきしながら読んだんですが。
いや、もちろんおもしろかったんですが、なんかちょっとモヤッとしました。後半に行くにつれてなんだかオカルトめいてきて…。
そこでハッとしました。この小説は、『ミステリー』ではなく『ホラー』なのだと。
たしかに、Wikipedia では『ジャンル』の欄に『ミステリー』と書かれていますが、雨穴さんは『ホラー作家』とのことですし、『ホラー』だと思えば内容にも納得いきます。
なるほど、ホラー小説として読めばよかったんですね! …でも、そうだとしたらきっと読まなかっただろうなー…。私、ホラーってダメなんですよ…。なんでわざわざ金払って怖い目に遭わなきゃいけないんだって…。なので、ある意味後から『ホラー』だと認識できて良かったかもしれません。偶然が重なって、無事に読み終えることができて、感謝です。

ある3つの家の『異様な使われ方』を、その間取り図と少しの証言だけで解き明かしてしまう物語です。
はじめ、「いやー、間取り図ってそこまで正確じゃないことあるよね?」と思いました。大学卒業して一人暮らしをするにあたり、ネットでいろんな間取りを見ましたし、実際に不動産屋に行ってそこでもたくさん見せられましたし、その後実際に内見にもたくさん行きました。その後も、10年くらい前に今の場所に引っ越してくるまで、約10年間で5回引っ越しをしたので、そのたびに同じことを何度もしたんですが。間取り図って結構ずさんなものが多いですよねー。すげー適当! と思うものも何個もありました。変な隙間があったり、全然寸法や縮尺があってなかったり。20年以上前の話だから余計そうだったのかもしれません。なので、はじめはそういう類のものなのかな、と思いましたが。
まさか、そこからこういう展開になるとは…。ひょっとして、当時見た変な間取りとか、変な隙間とか、全部本当はこういうことだったのかな…と思うと怖いよー。違うと思いますけどね。

私は父が転勤族だったので、16歳くらいまでずっと社宅暮らしで、そこからは親がマンションを購入したのでマンション暮らしでした。一人暮らしをするようになってもマンションに住んでいるので、一軒家って田舎の父母それぞれの実家しかほとんど知らないんですよね。
しかも、今回の小説のように、『注文住宅』っていうんですか? 完全に家主の意向を盛り込んだ家って全然知らなくて…。なんだかあまりうまく想像ができませんでした。
なので、読み終えた後に映画に行こうかな…と思ったんですけど…。現場感を知りたいなと思って。でも、そもそもこれが『ホラー小説』だと気付いてしまったので行けなくなりました。『ホラー映画』はもっとダメなのです。

MAX ホッチキス タテヨコ ホッチくる
うちでは A4 の紙は使い放題というルールがあります。(大したルールじゃないですが…)計算用紙や考え事をするときにケチらずに使うように、と。ただ、大して書いてないのに捨てるようなことはダメですが。娘がお絵かきをしたあとに半分に折って本のよう...

↑でも書きましたが、映画『アイアムアヒーロー』を見に行って途中で貧血を起こし(マキタスポーツさんがぐちゃぐちゃになったあたりです)、なんとか廊下まで出たもののその先は車椅子で運んでいただいたくらいなので…。動くカラーの映像はガツンときますよね…。
しかも、どうやら雨穴さんのイメージとは別物になってしまったらしい映画。小説は淡々と話が進んでいく感じだったのですが、それが『イメージとは別物』になってしまうと、余計に私は見られないような気がします…。残念。

しかし、150万部のベストセラーってすごいですねー。確かにラノベではない割に絵はたくさん入っていますから(間取りですけど)そこまでボリュームはないですが、それでも Kindle の『読み終えるまでの平均的な時間』が4時間超えなので、それなりのボリュームではあります。Amazon のレビューに『会話形式だったから良かったのでは』とあり、なるほどなーと思いました。確かに気軽に読める感じかもしれません。

私が読んだのは文庫の Kindle 版だったんですが、『文庫版あとがき』というものが一番最後についていました。キーパーソンの一人である栗原さんが書いたあとがき(という体、ってことですよね?)なんですが、そこにも新たに怖いことが…。
そもそも栗原さんが、一番はじめの間取りの『使い道』として唐突に突拍子もないことを言い出したんですよ。発想がぶっ飛びすぎだろ…と思っていましたが、次に次につながっていったのでどうやら正解だったってことなんですよね。でも、またこうやってふっかけてくる…。ただ単なる憶測ですよね、栗原さん…ねぇ…。

読み終えても爽快感が残らない感じ、これがホラーなんですかね…。おもしろかったんですが、なんだか心に変なものが沈殿しているような気がします。こういうのが癖になるんでしょうかね…。
続編も『変な絵』『変な家 2』と出ているようなので、機会があったら読んでみたいと思います。思いきらないと読み始められなさそうですけど…。

[AD]変な家
さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
読んだ本
さちこをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました