綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読みました。
綾辻さんの小説は初めてです。
この『十角館の殺人』、ずっと読んでみたかったので、今回読めて嬉しいです。
ネットの記事とかで『おすすめミステリー』みたいなのがあると、ほとんど必ず入っているのがこの『十角館の殺人』と『ハサミ男』ですね。
で、『十角館の殺人』でよく目にするのが『映像化不可能』という文字です。
「今日び、こんだけ CG の技術がすごくなっている中で、『映像化不可能』なんてあるのか?」と、思っていた時期もありました。
読み終えて…こりゃ不可能だわ、と。
金田一とかコナン(半沢さん)みたいに、黒い人でやるしかない…のか?
でも、Hulu で今年映像化された物があるんですよね…。
見てみたいと思っていたけど動画サブスクには入りたくないと思っていたので、年末年始で地上波放送されると知って小躍りしています。
楽しみだわ…。
読み始めてすぐ、「名前、覚えられない…」という問題にぶち当たりました。
いや、有名な作家さんの名前ばっかりだから一応は知っていますし、単語としては覚えているんですけど。
でも、どうにも『人物』と『名前』が紐づかなくて。
読み始めはちょっとしんどかったです。
「そんなあだ名で呼び合って、なーに気取ってるんだよ…」と思っていましたが、これも見事な布石だったとは…。
エラリイが終始言っていたような『外部から侵入してきたものが無双している』っていうのは、まぁ初めからないだろうなと思っていました。
そりゃ、そんなんじゃ『ミステリー小説』じゃなくなっちゃいますからね。
論理的に、ではなく、そういうメタっぽい理由から除外していました。
でも、7人の中で誰が犯人なのか、は全然わかりませんでした…。
『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせる感じの鮮やかな犯行で、前半の事件編も後半の解決編もあっという間に読み進めてしまいました。
最初に誰かが言っていましたが、こういう時ってだいたい『言い出しっぺみたいな人が犯人』で、まさにその通りだったじゃないか、っていう感じでした。
「具合が悪そうだった」っていうのには、一応ちゃんと理由があったんだな、と。
なるほどねー!
一番最後でガラス壜が届いて、それが子供に託されたところで終わっていますが、それがなかったら結局このまま幕引きになったっていうことなんでしょうね…。
エラリイが濡れ衣を着せられて、まぁちょっとかわいそうだなと思います。
こういう場合って賠償金とか求められちゃったりするんでしょうか…?
今回の事件では、最初に殺す人だけ決めてたみたいですが、それ以外はその場のノリ的な感じだったんでしょうかね。
やられた方は溜まったもんじゃないですけど(笑)。
確かに時限装置っぽいものが使われていました。
途中で何度かアクシデントもあったみたいですけど、運も味方してくれちゃったので完遂できちゃったんでしょうね…。
にしても、後半の解決編を読むと、犯人はものすごく暗躍してますね…。
私は『金田一少年の事件簿』が好きなんですが、スピンオフ作品に『犯人たちの事件簿』というのがあります。
犯人第一号の有森くんのセリフに「やることが多い…!!」というのがあります。
今回は、そのセリフがずっと頭から離れませんでした。
本当に、やること多かったですね…。
たかだか旅行の電車の予約程度でドキドキが止まらない私は、殺人には向かないんだろうなと改めて思いました。
名作と言われているのが納得できるような、本当におもしろい作品でした。
これがデビュー作だなんて…すごいですね。
この『十角館の殺人』は『館シリーズ』の第一作だそうです。
以前読んだ『体育館の殺人』は、この『館シリーズ』のタイトルをもじったものだったそうで!
はー、それは気づかなかった、なるほどねー。
『館シリーズ』は、現在連載中のものを含めて10作あるとのことで…これは他も読んじゃうパターンなのか…?
まぁ、急に全部買い揃えるのは…アレなので…少しずつ読み進めたいと思います…。
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