窓ぎわのトットちゃん

読んだ本

黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』を読みました。
徹子さんの本は初めてです。
…というか、この本は多分実家にあったな…。20年以上前に読んだと思います。ただ、ほとんど内容は覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。

表紙はいわさきちひろさんの絵。いいですよね~。いわさきちひろさん、大好きです。私は小1までと小3~小5は東京に住んでいたんですが、そのときはよく練馬にあるいわさきちひろ美術館に連れて行ってもらいました。多分、10回以上行ったと思います。ほとんど毎回真っ白い便箋にワンポイントでいわさきちひろさんの絵が入っているものを買って帰っていました。懐かしいなぁ。最近行っていないので、そのうち行きたいです。

『窓ぎわのトットちゃん』は日本国内だけでも800万部も売れているそうですね。すごい。最近アニメ映画も公開されて、さらに続編の『続 窓ぎわのトットちゃん』も発売されました。最近よく見るのはそのプロモーションも兼ねてだったんですね。

『窓ぎわのトットちゃん』は黒柳徹子さんの小学生時代を描いた自伝です。
小学生になったトットちゃんは、「授業をちゃんと受けない、妨害もする」ということで小学校を退学になってしまいました。トットちゃんのお母さんが見つけたのが自由が丘にあった『トモエ学園』という小学校。廃車になった電車を利用した教室やリトミックの授業や夏休みの学校への泊まり込みなど、独特の教育方針の小学校でした。前の学校では馴染めなかったトットちゃんも、新しい学校・新しい先生・新しいお友達の中でのびのびと学校生活を楽しみ、たくさんの思い出を作っていきます。
時代は第二次世界大戦のころ、日本は戦争に向けて進んでいきますが、トットちゃんたちの日常にはまだその影を見せていないころのお話です。

トモエ学園も小林校長先生もまったく知らなかったんですが、いやーすごい学校ですね。今こんな学校があったらとっても人気になっているでしょうねー。ただ、戦前の時代でこの教育方針だと、なかなか理解もされなくて大変だったでしょうね…。実際本文でも、『ボロ学校』の章で、外部の生徒から揶揄されるシーンもありましたし。…まぁ、あれは「校舎がボロい」ってことだけをからかったのかも知れませんが。
子どもたち一人ひとりのことをよく見ていて、それぞれの子に合った方法で接していて、すごい先生だなと思いました。トットちゃんの編入時に4時間も話を聞いてくれたことや運動会の話も驚きです。
前の学校は普通の学校で、トモエ学園の方がちょっと変わった学校だったんだと思いますが、トットちゃんはこの学校で生活できて本当に良かったんでしょうね。その後、トットちゃんが黒柳徹子さんとしてテレビなどで大活躍されていることを考えれば、この小学校時代が徹子さんの人生にとっての基盤になったであろうことは想像に難くないです。

新装版のあとがきで『トットちゃんは LD っぽい、とよく言われる』と書かれていたんですが…トットちゃんが LD なエピソードってあったっけ? って感じです。

学習障害(Learning Disability:LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。

https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/ld/

少なくともこの話の中では、LD ではなく ADHD の方じゃないかな…と思いました。

ADHDは、「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」とも呼ばれ、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状が見られる障害です。症状の現れ方によって「不注意優勢に存在」「多動・衝動優勢に存在」「混合して存在」と分類されます。

https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/adhd/

樺沢先生がよく「アメリカでは20歳までに10%が発達障害と診断されるが、その診断を受けた人を追跡したところ、そのうち50%がなんの問題もなく生活していた」という事例を紹介していますが、徹子さんの場合はまさにこれだったんだなーと思いました。実際みなさんもご存知の通り、成長してからはテレビなどの世界で大活躍されて、さらに累計800万部の大ベストセラー作家ですからね。

この本は、いわゆる『ゴーストライター』ではなく徹子さんご自身が書かれた本だとのことなんですが、その読点(『、』)の多さにびっくりしました。いつも通り Kindle を TalkBack 機能で読み上げしていたんですが、文章がずっと細切れなんです。なんか不具合でも起きたかな…と思って本文を見たら、読点がめっちゃ多い。息子がちょうど国語で『文節』とか『単語』とかのあたりを勉強しているんですが、文節で区切ってるのかな…と思うくらいでした。いわゆる『ね』とかを入れて区切るところができる単位が文節ですよーみたいな。黒柳さんの文章の癖なんでしょうねー。それもおもしろかったです。

話はトモエ学園が空襲で焼けてしまったところで終わっています。この後徹子さんは疎開されるそうなんですが、そこから先のエピソードは『続 窓ぎわのトットちゃん』に書かれているようです。1981年に出版されたこの『窓ぎわのトットちゃん』から40年以上経っての続編です。なかなか聞かないですよね…。機会があったらそっちもぜひ読みたいと思っています。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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