伊坂幸太郎さんの『砂漠』を読みました。
伊坂さんの小説は『あるキング』以来です。
やっぱりなんというか不思議な話でしたね…。
気づいたら大学4年間が終わっていて、本当にびっくりしました。
最初に『春』という章があって、次が『夏』だったんですけど、同じ大学1年の春・夏ではなく、春は大学1年生、夏は大学2年生、秋は大学3年生、冬は大学4年生という感じだったらしく、知らぬ間に4年間が終わっていたのです。
最後の方になるまでその事に気づいていなくて、「1年間でずいぶんいろんなことが起きるもんだ」なんて思っていました。
『超能力者』の友人もいるけど話のメインではないですし、片腕を失ってしまう友人もいるけどそれもやっぱり話のメインではないんですよねー。
「じゃぁ、一体メインは何なのか」と問われれば…、なんというか『モラトリアム』ということなんでしょうか?
今思えば、私の大学4年間もかなりモラトリアムな期間だったなぁ、と。
私はいわゆる『キラキラしたキャンパスライフ』とは程遠い、ほとんどエンジョイしていない大学生活でしたし、他の人から比べたらかなり真面目に授業も出ていた方だったと思いますが(寝ないように追い込むため、だいたい一番前の席で聞いていました)、それでも高校までとはまったく違う生活でしたもんね…。
過ぎてからわかった感じです、「あれが『モラトリアム』だったのか」と。
伊坂さんの母校でもある東北大学が舞台の話だと思って読んでいました。
最初の方に『短大生』の女子と合コンをするシーンがあったんですが…短大1年生ということは、去年まで高校生だった子たち、ってことですよね…?
それで、「ホストにハマっている」って…?
自分の感覚だとまったく想像できなかったので、本当にびっくりしました。
少なくとも、友達にもそういう人はいなかったので…(多分)。
にしても、やっぱり大学生ってカモられやすいな、と本当に怖い感じがしました。
鳥井くんはお金持ちかも知れないですし、仮に『倍プッシュ』し続けてとんでもない金額になったとしても大して気にならないような経済力なのかも知れないですけど。
『悪ガキの悪ノリ』の感覚でホストに転がされて、こんな風にカモられるんだな、と。
大学生で一人暮らしなんてさせるもんじゃないわ…と思ってしまいました。
鳥井くんが片腕をなくした経緯もいろいろ酷かったですが、その後なんとか元の明るさを取り戻せて、南ちゃんと恋人同士になって落ち着いて、キックボクシングで強くなった、というこの流れは、本当にすごいなと思いました。
結局『空き巣騒動』も『プレジデントマン騒動』もなんとか治まって、平和が戻って良かったなとは思います。
…つか、『プレジデントマン』ってなんだったんだ。
そんな理由で通り魔されてて怖いわ。
今回のあとがきもとても興味深かったです。
この『砂漠』は、どうやら伊坂さんの読者からはかなり好評らしく、「好きだ」と言われる機会がかなり多いとのこと。
しかも、「自分の『針路』・『進路』に影響した」とも言われるらしいんです。
…おもしろい話ではあるんですが、『進路に影響』ってどんな風になのかな、と思ってしまいます。
あと、『磯崎先生』についても書いてありました。
『逆ソクラテス』の『磯憲』のモデルになった伊坂さんの恩師のことだと思うんですが、これだけいろんな作品に出てくるということは、本当によっぽどいい先生だったんだろうなぁと思います。
西嶋と東堂ちゃんがどうなるかも気になるし、同じく鳥井くんと南ちゃん、主人公の北村くんと鳩麦さんがこの先どうなるかも気になりますね。
卒業したら、やっぱり疎遠になっちゃうのかなー。
北村くんは「なんてことはまるでない、はずだ」と締めくくっていましたけど、やっぱり疎遠になっちゃうんじゃないかな、と思ってしまいますね。
大学って、そういう感じじゃないですか。
…あれ、私だけかな…。
それも含めて『モラトリアム』だなぁ、と思います。



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