悪魔の降誕祭

読んだ本

横溝正史さんの『悪魔の降誕祭』を読みました。
先日の『幽霊座』の続刊です。

『「金田一耕助」シリーズ』2冊め、今回も短編集です。
3つの話が入っていました。

最初は表題作『悪魔の降誕祭』。
長編にでもできるような、とても濃密な物語だったように思います。
…『こういう人物』が犯人小説って、なんかデリケートな感じになってしまいがちですが、今回は存分に不気味さが出ていてよかったです。
やっぱり、例のごとく偶然ではあるんですが、私が「この人が犯人なんじゃないか」と思ったきっかけは、「たまきさんが誰かをかばうような発言をした」というところからでした。
『金田一少年の事件簿』でも、よく誰が誰をかばうかで犯人が誰なのかぼんやり分かってしまうことがあります。
彼女がかばう人といえば…、現在の夫は今目の前で死体となっているわけですし、今ちょっと思いを寄せている人、もしくは『彼女の子供同然の人』になるわけで。
想い人だとなんだか普通だなと思ったので(ひどい)、もう一つの可能性を考えていったら行き当たってしまった、という感じでした。
まぁ…インパクトが大きかったですよね…。
「まさか」という感じではありました。
ラストシーンでは、金田一さんは「まさかその紅茶を飲まないだろうと思っていた」というようなことを言っていたものの、本当は「逮捕されて長い間刑務所に入るよりは…」という気持ちがあったんじゃないかなと思ってしまいます。
生まれ育った環境がかなり特殊だったので、かなり同情の余地はあったものの、まぁ…許されざることをしてしまったわけですから、「こういう結末も仕方がないのかな」とも思ってしまいました。

2つ目は『女怪』。
こちらもすごい話だなぁと思いました。
以前読んだ『悪魔の手毬唄』のような展開。

あの『気持ちの悪い人』と、もうひとりの『精悍な人物』が、まさか同じ人だとは思わなかったです…。
その可能性はまったく考えていなかったので、本当にびっくりしました。
ただ、殺害の方法については見覚えがありました。
2時間ドラマっぽいもので、何のタイトルだったかまったく覚えてないんですが、電車で寝ているターゲットの隣りに座って耳の穴から畳針を入れて、脳溢血と誤認されるように殺害、同じトリックで何人かを殺害していたが、失敗して針が頭蓋骨内に残ってしまって犯行がバレてしまった、というドラマでして。
多分1990年代に見たんだと思うんですけど…。
Gemini に聞いてみたところ、まさにこの『女怪』か、松本清張の『熱い空気』、私の「渡瀬恒彦さんっぽい人がいたかも」から『十津川警部シリーズ』のどれか、と言われました。
『十津川警部』かー…、それっぽいような気がしてきました。
そのドラマのときは司法解剖でそれが発見されたような気がするんですけど、今回は『土葬』という古い習性と『墓荒らし』とが結びついて発覚してしまいました。
金田一さんの淡い恋心…、彼自身が自分の手で彼女へ引導を渡してしまいましたね。
こういうことがあるから、金田一さんも『極度のメランコリー』になっちゃうんでしょうね…。

最後は『霧の山荘』。
これは、最後まで読むと、「なんだか浅ましいな」…と悲しくなってしまう話でした。
結局、ほんのちょっと茶目っ気を出してみんなを驚かそうと思っていただけなのに、それを別の物たちに利用されて殺されてしまったわけですね。
その『茶目っ気』を手伝ってくれた人の命までも奪われてしまいました。
前回読んだ『幽霊座』の中の『鴉』にちょっと似ているなと思いました。
『似たような家を誤認させる』という手口は、『探偵学園 Q』の『吊り橋村殺人事件』、『金田一少年の事件簿』の『雪鬼伝説殺人事件』(『うぇぶすれっど』の事件)でもありました。
まぁどちらにしろ、知ってはいましたが思いつけませんでした(笑)。
物語の最後、犯人たちがお互いを責め合っているところを読んで、本当に悲しくなりましたね…。
こんな人達に殺されてしまったのかー、と。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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