中山七里さんの『彷徨う者たち』を読みました。
中山さんの小説は『棘の家』以来です。
この『彷徨う者たち』は、『宮城県警シリーズ』の3作目です。
1・2作目も読んでいました。
1作目は比較的覚えているんですけど、2作目はあまり覚えていない…ので、この後読み返そうと思います。
今回の主人公は、前回までの笘篠さんじゃなくて、蓮田くんでした。
彼の学生時代のこと、家族のこと、友達のことがフィーチャーされて、どうして彼がこんなにも罪悪感を持っているのかが少しずつ紐解かれていきます。
『サバイバーズ・ギルト』という感じなんでしょうか…?
Gemini に聞いたところ、『サバイバーズ・ギルト』とは『生存者の罪悪感』なので、一般的には「死ぬはずだったのに生き残った」という意味に使われることが多いですが、今回の蓮田くんのように『自分と他者の運命の不条理な差』や『特権への引け目』という意味でも使われる、とのことでした。
なるほどな…。
なんというか、「分かるな…」とは思いました。
私自身、大学卒業まで宮城県で暮らしていました。
私の両親は現在も仙台で暮らしています。
でも、あくまで自分が知っている範囲ではありますが、知人に被害者はいなかったようです。
そんな状態で、被害が酷かった地域の人達と話をしたら、同じような気持ちになってしまうだろうな…と思います。
しかも、蓮田くんは刑事さんですもんね。
地元のいろんな人から話を聞く立場なわけで、ずっとそういう思いを抱えながら生きていかなければいけないのは、本当に大変だっただろうなと思いました。
今回のポイントとなったのは、『密室』の攻略と「誰が犯人か」ということだと思いました。
でも、『密室』の方は「意外と早く、あっけなく謎が解かれたな」という感じでした。
しかし、そこから導かれる犯人は一人を指していて、「これは…」となってしまいました。
もちろん、中山七里さんのことですから、『大どんでん返し』があるんだろうなとは思っていましたけど、まさに「2回びっくり」という感じでしたね…。
真犯人、初登場から胡乱というか不安定な感じだったのは、これの伏線だったのか…と思ってしまいました。
と同時に、『彼ら』が犯人じゃなくてよかった、という気持ちもありました。
まぁ、おそらく『無罪』では済まされないでしょうから、ちょっと複雑ではありますけど。
というか、蓮田くんのお父さんが、ねぇ…。
息子の人間関係も考えずにこういうことしちゃうからなー。
「だからこの業界の人は…」とつい思ってしまいます…。
せめて、記名なしにはできなかったんだろうか? と思ってしまいますけど。
でもまぁ、それならそれでまた「無責任」とそしられるんですかね。
私の地元は、幸い大規模な復興が必要な地域ではありませんでした。
でも、今回の舞台となったこの地域ですと、本当に大変なんでしょうね…。
特にお年寄りですと、新しいところに移るのも大変だし、また慣れなければいけないのも大変だし…。
かといって、行政の人たちの考えも、わかるっちゃわかるんですよね。
地元業者や政治家の思惑も理解できます。
誰かが悪い、というわけではないから、本当に難しいなと思いました。
ただ、『迷惑系 NPO』だけは、本当にいなくなってほしい。
…え、こんなひどいの、本当にいるの? 本当に?
辞めてほしいですね…。


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