幽霊座

読んだ本

横溝正史さんの『幽霊座』を読みました。
横溝さんの小説は『病院坂の首縊りの家 下』以来です。

今年の1月は『金田一耕助シリーズ』にどっぷりハマっていました。
22冊合本版を読破したんですが…。
その22冊合本の『金田一耕助ファイル』以外にも、まだ28冊分の『「金田一耕助」シリーズ』というのがあるらしく…。
何が違うんだ。
22冊の方は、基本的には長編なのかなと思うんですが、とはいえ『人面瘡』『首』『七つの仮面』は短編集となっていました。

(『本陣殺人事件』も短編集ですが、あれは『金田一耕助最初の事件』ということで例外なのかな、と)

違いを Gemini に聞いたところ、22冊の方は『金田一耕助の作品の中で、「これだけは読んでおくべき」という主要な傑作・有名作を22冊厳選したベストセレクションという位置づけ』とのこと。
それ以外の28冊は『それ以外の作品』だそうで。
なるほど。

で、その『「金田一耕助」シリーズ』28冊の前半の部分が、今 Kindle Unlimited で読めるということに気づき、また金田一さん漬けになっているところです。
いやぁ、本当にありがたいですね。

今回の第1巻『幽霊座』は3つの短編が入っていました。

最初は表題作『幽霊座』。
これはまた複雑な事件だでした。
今回の凶器の『ニコチン』というのは、『金田一少年の事件簿』の『幽霊客船殺人事件』でも使われていたので、それを読んだ当時も本当に怖いと思っていました。

あの『幽霊客船殺人事件』でも書かれていた通り、タバコを煮詰めて高濃度のニコチンはうまく抽出できないようではあるそうです。
でも、『幽霊客船殺人事件』でもこの『幽霊座』でも、針でプスッとしただけで死んでしまっていますよね…。
刺したら一瞬で死んでしまうようなものを、『タバコ』で自ら摂取する人たちがいるんだな…と思ってしまいます…。
人1人殺そうというのに、詳細な打ち合わせがされていなかった、というのが今回の『失敗』だった、というわけですかね…。
…そんなもんなの!?
『今まで』は成功してきていたので、その慢心が命取りだったんですかね(byラルフ)。
もうちょっと綿密な話し合いをしていれば、問題なく犯行が完遂できていたんでしょうけど…。
いなくなってしまった鶴之助さんは、金田一さんに失踪をほのめかすようなことを前もって伝えていたんですが、それはどういうことだったんでしょうか?
本当は止めて欲しいって思ってたってこと?
失踪なんかしなくても、もうちょっと違う方法がなかったのかな、と思ってしまいますね…。

2つ目は『鴉』。
「金田一さん、また磯川警部に利用されてる…」と思いつつ。
まぁ、本人も磯川警部への義理があるでしょうし、何よりも事件を知ったら放っておけな性分何でしょうけどね。
何か裏で画策している人たちの案があって、それを偶然知ってしまった第三者が、それをうまく利用しようとした、というパターンの事件でした。
象徴的に使われる『鴉』という題材、この地では神聖な遣いとされていました。
で、その『血』でいろいろ隠すというのは『秘宝島殺人事件』(鶏の血)や『金田一フミの冒険』(鵜の血)でもありました。
珠生さんの『夫婦の交わりが持てない肉体』というのは…いわゆる両性具有とかそういうことなんでしょうか。
本人にはなんの落ち度もないだけに、とてもかわいそうだなと思います。
自分の親ならまだしも、自分の祖父にそれをカミングアウトするのは…しんどいですね。
でも、そこをしなかったがための今回の事件、ということになってしまいました。
どうすればよかったのかな、と思ってしまいます。
そして、泰輔が想像してたよりずっと悪い人だったのがびっくりしました。

3つ目は『トランプ台上の首』。
急に『双子』が出てくるのはちょっとずるいなと思わなくもないですが(笑)。
まぁ、戦前戦後の混乱した時期であれば、双子が別々に育てられて大人になって初めて再会するというようなことも、多分あるんだろうなとは思いました。
さらに、それを自分たちの犯罪に利用できると閃かせてしまったのは、殺されてしまった彼女にとって本当に不幸だったでしたね…。
日本にさえ帰ってこなければ、こんなことに巻き込まれることはなかっただろうに。
今回もまた『自分を殺す』という方法で『自由』になろうとしたわけですが、海外などに高飛びしようと考えているから戸籍なんかどうでもいい、ということなんでしょうか?
自分を『殺して』しまったら、この先生きていくのがとても大変だと思うんですけど、大丈夫なのかな…といつも余計な心配をしてしまいます。
すでに死んでいるわけですから、パスポートとかも使えなくなってるんじゃないかな、と思うんですけど、その辺って戦後直後だときちんと取り締まりされていなかったりするんでしょうか?
今回、死体の第一発見者となったお惣菜屋さんの宇之助さん、本当に偶然発見者になってしまっただけの善意の人かと思いきや、まさかこんな風に噛んでいたとは…。
世相的にみんないろいろ鬱屈としていたんですかね…。
そういう欲求には勝てないんだな、と思ってしまいます。
たまに「性行為はスポーツだ」という人もいるみたいですが、そういう感覚なんでしょうか…。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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