依井貴裕さんの『夜想曲(ノクターン)』を読みました。
依井さんの小説は初めてです。
次に読む本を探すために、いろんな方の書評ブログなどを見ます。
この『夜想曲(ノクターン)』は、それらのどこかで紹介されていたものです。
ブログの内容をざっと読んで、非常に興味を惹かれました。
価格も非常にお買い得で(Kindle 版が475円)、すぐに買う決心がつきました。
なぜか、Kindle の表紙はタイトルのみの、何と言うか…青空文庫っぽい感じ…だったんですけど。
なので、当初は正直あまり期待していませんでした。
でも、読み終えてすごくおもしろくてびっくりしましたね…。
一見普通の殺人事件に見せかけて、実はものすごいトリックと多重人格の話になっています。
多重人格については、解答編で急に出てきたので、正直ちょっと「ずるいな」とも思ったんですが。
でも、よくよく考えてみると、それよりも前から伏線がちらほらあったのは事実なので、単純に私が気づけなかっただけ、ということなんでしょうね…。
にしても、『実際に今その流れで殺人事件が起きている』というわけではなく、なぜだかわからないけど当時の記憶がまったくない人に宛てて、その殺人事件の流れが書かれた手紙が送られてきた、という状況そのものがまた不可思議でおもしろくて。
『記憶がない』ということ自体が『人格がすり替わっていた』ということの説明になっていたんですねー。
なるほどなー、と。
私自身は、いわゆる『多重人格モノ』としては『24人のビリー・ミリガン』と『十三番目の人格 ISOLA』くらいしか多分読んだことはないと思います。
でもその中で、『総合的な人格』もいるし、『他の人の存在を分からない人格』もいる、という知識はあったので、いろいろ納得しながら読むことができました。
しかも今回は、大きな大きなトリックとして『手紙』がありました。
内容的には『まったくの虚偽というのは書かれていない』というところが、また厄介な感じで。
すごくよく考えられてるな、と思いながら読んでいました。
確かに「なんで最初からみんな疲れてるんだ?」みたいな違和感は若干あったんですが、そんなに一生懸命一言一句記憶するように読んでるわけではないので(すみません)、正直『日付』のことなんかは全然気づくことができませんでした。
解決編を読んで「なるほどなー」と思った感じです…。
あ、久しぶりに『挑戦状』が挟まれている小説でした。
やっぱりゾクゾクしますよね、全然当てられないですけど。
Amazon に乗っている文庫本の表紙の画像に大きく『映像化不可能』と書かれていて、読む前は「何がだろう?」と思っていました。
以前読んだ『十角館の殺人』も、長い間そう言われていました。
でも、実際は映像化されたわけですし。
では今回は、というと…やろうと思えばできるのかなー?
不可能な要素としては…『手紙』よりも、主人公・桜木さんの外見の方、なんでしょうか。
『ウォークマン』などの単語とその機能でなんとなく年代は予想できましたが、やっぱり1999年発売だったようです。
四半世紀前かー…私も歳を取るわけですよね…。
舞台を『今』にはできないかもしれないですが、当時の時制で、ならできるでしょうか?
『最後に探偵役と話している人』の一人称視点にして、手紙を読んでいる桜木さんとその映像のシーン、間に挟まれる彼の葛藤なんかを入れて…。
いえ、映画の「え」の字もかじっていない素人なので、テキトーです。
でも、これは映像で見てみたいなー、と思ってしまいます。
作者の依井さんは、プロマジシャンもされているとのことです。
すごいですね…推理小説家とマジシャンの兼業…。
共通点があるような気もしますが、どうなんでしょうね…。
そして、以前『法月綸太郎の冒険』で出てきた『五十円玉二十枚の謎』の解答編も書かれていたとか。
マジシャン視点でどんな解答が出されたのか、とても興味があります。
ただ…Kindle 版ないんだよなぁ…。
今回はたまたま見たブログからおもしろい小説を紹介していただけてラッキーでした。
本当にありがたいことです。
(すみません、どなたのブログだったかは忘れてしまったのですが…)
また、おもしろい本を教えていただけると嬉しいです。




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