プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

読んだ本

アンディ・ウィアーさんの『プロジェクト・ヘイル・メアリー 下』を読みました。
先日の『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上』の続刊です。

本当に…すごい話でした。
読み終えても涙・涙で、本当にこの主人公の・グレースがすごいなという気持ちでいっぱいです。

比較的最初の段階、下巻の5%ぐらいの時点で、ロッキーが「『アストロファージ』を大量に持っているから、グレースの帰りの分を分けられる」と言ってくれるシーンがありました。
『第16章』なんですけど…、もう、その章が本当にすっごく嬉しくて、そこだけ5回ぐらい読みました(笑)。
今までずーーーーっと「家には、地球には帰れないんだ」と思っていて、このままこの宇宙の中で寂しく死んでいくんだと思っていたので…。
まぁ、それでも地球の人間という種族を救えるんだから仕方ないんだ、となんとか割り切ろうとしていたのに。
まさか、異星人の友人・ロッキーがアストロファージをくれるとは…!
グレースは本当に幸せだったでしょうね…。

正直、この下巻も、『科学』の内容については、まぁほぼわからなかったです(笑)。
「はぁ、そうなんだろうな…」と思って読んでいくしかない、というか。
でも、本当にあくまで素人の感想ではあるんですが、「すごい話だな」「きっと、こういうこともあるんじゃないのかな」とずっと思いながら読んでいました。

ロッキーともものすごい友情で結ばれて、アストロファージを駆逐できる微生物・『タウメーバ』を発見することができました。
その過程も、またまたすごい冒険の連続でした。
しかし、グレースとロッキーがタウメーバを使いたい環境では育たないらしい、ということが分かり、何とかしてその環境に耐えうる種に進化させていく…。
またすごい展開ですね。
たしかに、新型コロナウィルスのときに、ウィルスの進化がものすごく早いということを改めて知りましたが、それを宇宙空間でやるとは。
何回も何回も繰り返し、お互いの環境で使えるようなレベルまで持っていくことができました。
そこで、彼ら2人はお別れです。

きっと、この先もう二度と会うことがない…となるはずだったのに!
またねー…、ここからが本当にすごくて。
グレースが『そんなこと』をするなんて…!
確かに、グレースには『ビートルズ』があるから、研究成果を地球に渡すことはできます。
でも。
だからといって、私自身が同じ状況だったら、『そんなこと』ができるとは思えないです。
本当にすごい。
それぐらい、この2人の間には強い強い絆が芽生えていたんだな、と。

この小説の一番最後の章、多分『第30章』だと思うんですが…。
それを『こういう書き方』で表すなんて。
一瞬「強制的にこういう表現を使わざるを得ないような状況なのか…?」と、ヒヤッとしてしまった自分を叱りつけたい(笑)。
グレースの今の環境を読んで、大事にされているんだろうなということがよくわかりました。
宇宙で初めてロッキーと出会ったとき、ロッキーがすごくいい人だったので安心しました。
それでも、最後の方まで「実は騙されているとか…」という気持ちも捨てられませんでした。
そして、この環境。
ロッキーだけが特別すごくいい人ってだけで、ロッキーの仲間たちがロッキーのような人じゃない、って可能性もありますよね。
そう考えると、自分で進んでこの環境に来たとはいえ、本当に怖かったと思います。
でも、そんなことなくて、みんないい人でした。
…まぁ、本心では『モルモット』的に扱っているかも知れないですけど、少なくともちゃんと普通に暮らせる環境を用意してくれていますしね。

主人公のグレースをこんなプロジェクトに巻き込んだ、ストラットという女性。
初めは、まーーーすごく強大な権力を持っていて、『情』とかそういうものは一切排除して、やるべきことをガンガン進めていく、非情な女性として描かれていました。
…まぁ、それは多分事実なわけですけど(笑)。
物語の最後の方で、ストラットが「なぜ、こうせざるを得なかったのか」を話すシーンが有りました。
時系列的には、『宇宙旅行』に出る前で、グレースはそれを独房の中で聞いています。
…やっぱり、『歴史を学ぶ』というのは大事なことなんだな、と思いました。
私自身は歴史、というかいわゆる『社会科全般』があまり好きじゃないんですよね。
『社会』がテストの得点のネックになっていた時期もありました。
でも、ストラットの話を聞いて、こうやって歴史を研究していくことの意義ってあるんだな、と理解できたような気がします。
(多分、理解が遅すぎるくらいですけど…)
なるほど、本当にここ100年程度のレベルでしか、人間は『食料』を克服できてないんだな、と。
精神科医の益田先生が、よく「人類はもう飢餓の問題は克服している」と YouTube でおっしゃっています。
それでも、確かに『こんな状況』になったら、また以前の『争いの時代』に戻ってしまうんですね。
昔のように『食料』で戦争が起きるという未来もあり得るんだな、と。
だからといって、望んでいなかったグレースをこんな方法で強制的に宇宙船に乗せたというのは、まぁ許されることではないですよね。
だからといって、「じゃぁどうしろって言うんだ」って。
本当に苦渋の選択だったんだろうなと思いました。
グレースの記憶が完全に戻る前に強制的に行かせてしまえば、彼の性格と好奇心からちゃんとミッションをやり遂げるだろう、と。
その読み、本当に的中でしたね。
仮にグレースが地球に帰還したとしたら、彼はきっと映画・アルマゲドンのクルーみたいに、ものすごいヒーローになるんだろうな、と思いました。
でも、じゃぁ一方で、ストラットはどうなるのかな、と。
あまりにも強大な権力をいろんな人に振りかざしてしまっていたから、ひょっとしたらなにか言われのない罪で投獄されちゃったりするかもなー、と。
何なら、混乱に乗じて殺害されてしまう可能性もありますよね。
戦場での上官の死亡原因の何%かは、部下に殺害されたというものだ、と書いてあったのは『同志少女よ、敵を撃て』だったかな。

でも、彼女はもうそれすらもきっと覚悟の上で、やらなきゃいけないことやらなきゃ行けなかったんですね。
『昔』の悲劇を繰り返させないように、自分ができる最善のことをやっていたんだな、と。
そして、グレースに例の『フランス式の逆行性健忘の薬』を投与すると決めたのは、まーー英断でしたねー…。
彼なら、自分の置かれた状況でミッションを放り出すはずがない、と思ってたんでしょうし、直前にあった辛い出来事が忘れられるなら、そんなにいいことはないですね。
もちろん、本当であれば『彼自身が望んで行く』というのがベストだったんでしょうけど…。
そんなのはフィクションが過ぎるってモンですよ(笑)。

いやー、本当に、本当におもしろかったです。
これは、絶対映画見に行こうと思いました。
ロッキーがどんな姿なのか、いろいろ描写はあったけど、正直全然想像がつかなくて。
それを見るのも、楽しみです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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