同志少女よ、敵を撃て

読んだ本

逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。

本当に何回も泣きました。
読んだのはちょっと前だったんですが、今でもたまに思い出します。

物語の始まりは、まぁ言ってしまえばRPGとかでよくある展開かもしれません。
自分以外の村人が全員死んでしまって、
自分もあわや殺されるという時に援軍が来て助かる。
でもその援軍のボスには嫌な目に合わされるし、特訓は厳しいしで、
彼女を憎みながら日々の生活を送り、
スナイパーとしての訓練を受ける。

主人公の女の子はロシア軍の狙撃手なので、
敵と言えばこの場合はドイツ軍のことです。
ここが重要、だと思います。

タイトルにもなっている

『同志少女よ、敵を撃て』

というフレーズですが、
物語中1回だけ出てきます。

その出てくるところがものすごい絶妙で、
そのことを思い返すだけでまた涙が出そうになります。
まさかここで出てくるとは、という感じ。

私はなんとなくFF9の発売当時を思い出しました。
主人公のジタンのビジュアルに
「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
というのがあったんですが、
あの発売当時そのセリフはヒロインのダガーに向けて言われるものだと
ほとんどの人が疑わなかったと思います。
…ですよね?
でも実際は、物語の本当に終盤、意外な人物に対して言うセリフでした。

その感覚を思い出しました。
違うのは、FF9のときは温かい気持ちになったんですが、
今回はすごく悲しい気持ちになったということ。
どうしてこうなってしまったんだろう、
どうすればこうならずにいられたんだろう、と。
戦争ものの小説なので人はたくさん死んでしまうんですが、
このシーンは本当に辛かった。

男性特有の集団心理みたいなものについても言及されていて
興味深かったです。
すごい作品だなぁと思いました。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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