結界

読んだ本

津谷一さんの『結界』を読み終えました。

いやー、すごかった。本当におもしろかった。
ページを進ませるのがとても怖かったです。
ホラー小説ではないんですが、誰が味方で誰が敵かがわからない。
次の瞬間誰が死ぬのかがわからない。
一章終わるたびに「死ななかった…」とホッとすることの繰り返し。
この感覚は、以前読んだ太田愛さんの『犯罪者』や
小川哲さんの『ゲームの王国』のときも味わったなぁ、と。
たまたまかも知れませんが、この3つの小説、
どれも上下巻構成ですね。すごいボリュームで濃密。

物語は、日本の国防にかかわる重要な装置が
茨城県の東海村から何者かに盗まれてしまいます。
場所的にアレ、って感じですよね。
そしてその直前に、日本の政治家が一人死にます。
それは自殺と報道されます。

主人公(と言っていいと思う)は佐々木大介という働き盛りの男性。
大手新聞社に勤めていて、
亡くなった政治家にとてもかわいがられていました。
そして、大介の出生にはちょっとした秘密があります。
大介は政治家の死亡報道に疑問を持ち、独自に調査を開始します。
そこで、次から次に浮かび上がってくる疑惑。
東海村から盗まれたモノはなんなのか。
なぜ、その政治家が殺されなければいけなかったのか。
盗まれたモノは今どこにあるのか。
誰が盗んだのか。
大介は自らの出生のせいで、大きな陰謀に翻弄されます。

本当に息つく暇もありませんでした。
ドキドキしっぱなし。

最近政治家のなり手が減ってきている、という報道をちらっと見ました。
この本を読んだら、なりたくなくなるわー。
責任が重すぎる。気が休まらないです。

安倍元首相銃撃事件や岸田首相襲撃事件も
実は別になにか大きなものが関わっているのでは…
と勘ぐったり陰謀論者っぽくなってしまいそうな感じです。
小説の中にも同じような状況があるので。
怖いです、本当に怖い。
父も夫も普通のサラリーマンでよかったなぁ…。

Kindle Unlimited で読めます。
ぜひ。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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