狼と香辛料 XI Side Colors II

読んだ本

支倉凍砂さんの『狼と香辛料 XI Side Colors II』を読みました。

狼と香辛料 X
支倉凍砂さんの『狼と香辛料 X』を読みました。 今回の話、なんだかかなり好きです。なんででしょうね?ホロがなんだかんだ言って優しいからですかね? 前巻の町で『狼の骨』の噂を聞いたロレンスたち。ホロは、その骨が仲間のものなんじゃないかと疑って

今回の目玉は! エーブの過去を知る物語でした!
『狼と香辛料 V』で初めて会った女商人エーブ。

狼と香辛料 V
支倉凍砂さんの『狼と香辛料 V』を読みました。 今回はついに、って感じでした!いやー、長かった(笑)。そもそもの始めがなんだかすごい話で。ロレンスとホロは、泊まった宿屋でエーブという商人に出会い、なんだかすごい儲け話に手を貸さないかと持ちか

彼女は根っからの商人というか、
なんなら自らの命よりも金のほうが大事、
みたいな傾向がある人物なので、
なんか過去につらい出来事があったんだろうなぁ…と
漠然と思っていたんですが。
やはり、という感じでした。
これはつらい。つらいわ…。
まだ、エーブが「エーブ」と名乗る前、
フルールという名で商人をしていた駆け出しの頃の話でした。
没落貴族として富裕な商人に買われ、
その承認も破産してしまって何も亡くなったフルール。
それでも、商人であった前夫に仕えていた
オーラーという老人とベルトラという女中は
フルールのもとに残ってくれました。
特にオーラーは、フルールに商人としてのいろはを教えてくれて、
彼女が自立できるように支えてくれていました。
そんな中でポッと湧いた、服を売る商売の話。
フルールと同じく貴族出身で商人をしている
ミルトンという男性は、
フルールから融資を受けて服を仕入れ、
それを貴族に売って儲けようとしていました。
儲けの話もさることながら、
ミルトンの人となりに対しても交換をもってしまったフルール。
恋を知らないまま売られて人妻になり、
夫からは優しくしてもらえずに更に先立たれる。
そんな経験をしていたら、ミルトンのような男性に憧れを抱いても
仕方ないですよね…。
ただ、その仕入れは別の商人に騙されて失敗してしまいました。
ミルトンはフルールから失敗して仕入れた服を奪い、逃げます。
フルールはつらい決断を迫られ、ミルトンを追いかけます。

最後、ミルトンがフルールにさせた行動は、
これから商人として生きていくための覚悟をさせるためだと思うんですが、
それはあまりにもつらい行動でした。
まぁ、こんな経験があったら、ロレンスたちに対する仕打ちも
やりかねないよな、という気持ちになってしまいます。
『狼と香辛料 V』で登場したときにはオーラーもベルトラもいませんでしたが、
彼らは健在なんでしょうか? それも気になります。

他の短編は、いつも通りロレンスとホロの旅です。
まだコルが合流する前の話ですね。
はじめの『狼と黄金色の約束』は
まだ商人が入り込んでいない町を奇跡的に見つける話だったんですが、
「これから末永く付き合っていく」みたいな感じなのに、
今の本編ではホロの旅に付き添っちゃってますよね?
その村には行かなくて大丈夫なのかな?
1年に1回くらいで大丈夫なのかな?
物資を運ぶの1年に1階で大丈夫なの!?
…と心配になってしまいましたが。まぁ、大丈夫なんだろうな。

とにもかくにも、エーブの過去を知ることができて
彼女のことがちょっと、いやだいぶ好きになったかもです。
とても心に響いた話でした。

次巻も楽しみです。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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