森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』を読みました。
森見さんの小説は『四畳半タイムマシンブルース』以来です。
いやー、相変わらずおもしろかったですねー。
タイトルから、はじめは恩田陸さんの『夜のピクニック』みたいな話かなと思っていたんですが、まーそんなわけないですよね。
しかし、かなりずっと勘違いしていました。4章立てになっているんですが、一章を読み終えるまで『四畳半神話大系』の続きだと思っていました。
だって、樋口さんとか羽貫さんとか出てるし。『黒髪の乙女』だし。相変わらず主人公はうだつの上がらない感じだし。
でも、よくよく読むとちょっと違う…黒髪の乙女は明石さんではないのか…? と思い、一章を読み終えてから調べてみたら…違う話だと。あらら。勘違い。
そして、話を読んでいてものすごく既視感がありました。
何年か前、HD レコーダーが自動で取ってくれたアニメをぼんやりと見ていたんですね。絵柄が『四畳半神話大系』っぽかったので(アニメ見てなかったけど絵柄は知っていた)、ずっとそうだと思っていたんです。今思えば、タイトルちゃんと確認しろよって感じですが。
でも、去年『四畳半神話大系』を読んで、「いや、この話じゃないな」って。なんか電車がやってきてその中で宴会したり、夏の古本市で女の子をストーカーしたり、みたいな話ないじゃん、って。テイストは似ていたんですが…。なので、結構真剣に「幻だったのか…?」と思っていたんです。
なるほどこれだったか、ようやく判明してスッキリ。
『四畳半神話大系』っぽかったのは当然ですね、監督おんなじ人だし。
主人公の『先輩』(相変わらず名は明かされない)は、同じ大学の『黒髪の乙女』である後輩に想いを寄せています。が、打ち明ける勇気はなし。ありとあらゆる口実を総動員して彼女に近づこうとしますが、生粋の天然である彼女は「ものすごい奇遇」としか思っていません。
『先輩』が『黒髪の乙女』となんとかデートにこぎつけるまでの、長い長い紆余曲折を描いた恋のお話です。
相変わらずの森見節と摩訶不思議な出来事の連続、本当に目まぐるしく場面や登場人物が入れ替わり、ほんの少しも休ませてくれません。
主人公は相変わらず作者の森見さんから邪険な扱いとも思えるような書かれ方をしているんですが、不思議と憎めないですよね。っていうか、多分眼鏡かけてますよね、先輩。眼鏡に弱い私としては、憎めないのも当然ですね。
樋口氏も羽貫さんもお元気そうで何より。『四畳半神話大系』のみなさんも元気なのかしら。このワールドの話って、他にもありますかねぇ? ぜひ読みたいものです。
Kindle Unlimited で読みました。
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