山田風太郎さんの『人間臨終図巻 1』を読みました。
山田さんの本は初めてです。
…はい、先日まで既刊前巻読んだ『ビブリア古書堂の事件手帖』の影響です。
『人間臨終図巻』というタイトルもすごいですし、内容もすごい。
とても興味深く読みました。
『人間臨終図巻』は、Kindle 版では全4巻で、この第1巻は10代~49歳までに亡くなった人たちを生まれた西暦順に並べて、その臨終の状況を説明している本です。
(亡くなった年齢ごとに分けているので、生まれた西暦順 = 亡くなった西暦順とも言えますが)
はじめ、『人間臨終【 図鑑 】』だと思っていたんですが、『人間臨終【 図巻 】』なんですね。
『図巻』というのは『絵巻物』という意味みたいなんですが、特に挿絵みたいなのが入っているわけではありません。
この第1巻では、10代・20代と31歳・32歳…のように分けられています。
10代・20代で亡くなった人…短命過ぎて悲しいですね。
もちろん、そのへんの市井の人々が書かれているわけではなく、歴史上に名を残した人達の臨終の様子が書かれているんですが、お恥ずかしながら私はいわゆる『歴史』がとても苦手でして、「この人なんの人だっけ?」という人もしばしば…。
一応、文頭に簡単に経歴が書いてあることが多いんですが、それでは理解できないところもありまして。
Wikipedia の『人間臨終図巻』のページには、掲載されているすべての人ページへのリンクが貼ってありました。ありがたや。
人間臨終図巻 - Wikipedia
特に印象に残った人は
- 赤木圭一郎
知人の名前の由来となった人なので、名前は知っていました。
ただ、名付けたのは現在70歳くらいの方なので、赤木さんの亡くなった1961年にはまだ10歳にもなっていなかったんですよね…。
よっぽど印象に残る人だったんでしょうね。
- 滝廉太郎
仙台に住んでいたので、『荒城の月』は小・中と音楽の時間よく歌いました。
(『荒城の月』は作曲が滝廉太郎、作詞が仙台出身の土井晩翠です)
なのでかってに縁があると思っており、興味深く読みました。
やはり、昔は結核でなくなる人が多かったんですね…。
- 石川啄木
やはり東北出身で「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」で有名な方です。
上野駅がその舞台とのことで、上野駅に行くといつもその詩を思い出します。
彼もまた結核、本当に不治の病だったんですね…。
- 夏目雅子
亡くなったのが1985年、私は1980年生まれなのでリアルタイムの記憶にはないのですが、今見てもとても美しくチャーミングな方だなと思っています。
夏目さんの項目にはマスコミの執拗な取材で疲弊したお母様の言葉も書かれています。
かなしいです。
- 相楽総三
前述の通り歴史には本当に詳しくないんですが、今ちょうどアニメ『るろうに剣心』を見ているので、『相楽隊長』のモデルの人だと気づきました。
るろ剣でも悲しい物語として描かれていましたが、本当にそういう事があったんですね…。
- 源義経
義経最期の地が東北ですし、滝沢秀明くんがやっていた大河ドラマ『義経』も見ていたので、自分の記憶と比べながら読んでいました。
- 梅川昭美
はじめなんの人かまったく分からなかったんですが、中盤でようやくわかりました。
『三菱銀行人質事件』の犯人の人です。
こういうタイプの人についても記述してあるのが、不謹慎ですがおもしろいですね。
夜な夜な Wikipedia を読み漁っていた時期に(そういう時期、ありますよね?)事件を読んでいたので概要は知っていました。
えんどコイチ先生の『死神くん』に銀行強盗の話があったんですが、この事件がベースだと勝手に思っています。
- 沖田総司・近藤勇・土方歳三
新選組のみなさんです。
沖田総司は、ロマサガ2でイーストガードの『ソウジ』のモデルですよね。
LP が1しかなくて使いづらかったソウジ…。
新選組は大河ドラマ見ていたんで、大筋はなんとなくわかります。
あと、それぞれ演者の方で想像してしまいます。
あと、土方歳三は『ゴールデンカムイ』にも出てたなーって。
- モーツァルト
神童モーツァルトも、晩年はこんなに寂しかったんですね…。
- ゴッホ
このブログでもゴッホは度々触れているので、興味深く読みました。
もちろん、先日読んだ『リボルバー』は(多分)フィクションなので、一般的に広く知られている『自殺』で書かれています。
- 宮沢賢治
またまたでしつこいんですが、彼も東北出身です。
最近知ってびっくりしたんですが、彼の名を冠した『けんじワールド』はなくなってしまったんですねー。
小学校のときに2回ほど遊びに行きました。
現在は健康食と言われている玄米も、体質によってはダメなんですね…。
- マジェラン
歴史の教科書にも出てきた、船乗りのマゼランです。
またロマサガ2ネタで申し訳ないんですが、武装商船団の2番目がマゼランでした。
しかし、酷い殺され方です。
- 夢野久作
『ドグラ・マグラ』、樺沢先生が精神科医になるきっかけとなった本の作者の方です。
読んでみたいんですが、怖くて読めません。
亡くなり方もすごい。
全部で4巻あるんですが、全て買ったので全部読みます。
読み応え十分。
楽しみです。
ちなみに1巻のみ Kindle Unlimited で読めます。
持ってたいから購入しちゃいましたけど。
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