原田マハさんの『ギフト』を読みました。
原田さんの小説は『翼をください』以来です。
前情報なしで読んだんですが、短編集でした。しかも、20話入り。お得ですね。
1話は2~3ページくらいで終わってしまいます。前後の話は繋がっていない様子。始めは続きものかと思っていたんですが、そうではないようでした。でもたまになんか関連もあったり。
ファッション雑誌とかに載っている、見開き2ページくらいの短いお話みたいな感じだったのかな?
原田さんの文章はいつもなんか染み込んできて、どっぷり浸かれる感じがするので好きです。
今回は絵画とか画家とか、そういうお題ではなかったんですが、ところどころに淡いタッチのきれいな絵が挿入されています。すみません、存じ上げなかったのですが、尾柳佳枝さんという方の絵だとのこと。きれいですねー…。尾柳さんのサイトも拝見したんですが、あたたかい感じのタッチの絵がたくさんありました。いいなぁ…。青がきれい。
20代~30代ころの女性が主人公の話だと思います。日常の些細なことだったり、ちょっとしたイベントごとだったりで、そのときに感じた気持ちがきれいな言葉になって書かれていました。
楽しい話だけじゃなくて、別れの話だったり悲しい話だったりもありました。でもなんだろう、一貫して清涼感がありますよね…。雨上がり的な。尾柳さんの挿絵とも相まって、爽やかな、前向きな気持ちになりました。
一番印象に残ったのは『15分後の春』という話。ちょっと悲しい話でした。
それぞれ短編集なので、主人公の名前とかはほとんどないです。
いつも、デートの待ち合わせを「10:15」とか「12:15」とか、半端な時間にする彼。理由を聞いても「なんか窮屈だから」と。そんな彼は卒業後は故郷に U ターンするため、最後のデートの日。なぜ今まできっかりな時間じゃなかったのか、がようやくわかります。
…こんなステキな男性いますかね…? 『最後』なんて悲しいなぁ。
主人公はまた新しい恋を始めようとしていましたが、『元彼』の習性を引き継いで「10:15」に待ち合わせをしてみました。でもでも…。
おもしろいですね。ステキな男性を引き当てるスキルがあるんですかねー。うらやましいわ。
全部で84ページしかない本だったので、すぐに読み終わってしまいます。そこはちょっと残念。
でも、それこそものすごくいい気分転換になります。読んでよかった。
Kindle Unlimited で読みました。
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