嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 『i』 記憶の形成は作為

読んだ本

入間人間さんの『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 『i』 記憶の形成は作為』を読みました。
先日の続刊です。

Amazon のシリーズ表示で7巻と8巻の間にこの短編集が入っていたので、このタイミングで読みました。
発売日的な順番みたいですね。
いつもより幼い感じのまーちゃんなのは、本書の内容が過去の回想だからでしょうかね。
この短編集には5本の話が入っていました。
そのうち4つには春・夏・秋・冬とそれぞれの季節が冠されていて、秋『蟻と妹の自転車籠』だけ、メインの話は『8年前の事件』の前の話、それ以外は事件の後の話です。

春『嘘が階段を上るとき』は、8年前の事件が終わった直後、『ぼく』がまだ入院している時の話です。
おなじみの恋日先生と、あまりお馴染みでない『ヤマナさん』が登場します。
…私は40年以上生きてきて、まだ『こういう経験』がないんですけど、とてもショックなんでしょうね…。
『これ』ではなく病気とかで亡くなる方は何人かいましたが…。
ただでさえ人が亡くなるのは悲しいことなのに、『これ』だったと知らされたらなんだかとても苦しくなるような気がします。
東野圭吾さんの『手紙』みたいな感じですかね。
『ぼく』がなんだか飄々としているのは、やっぱり少し壊れているからなんでしょうかね…。

夏『ともだち計画』はイラッとする話でした。
『ぼく』が父方の叔母に引き取られて小学校の1学年下に復学し、そこでいじめにあう話です。
相変わらず、いつでも、どんなときでも、金子くんはいい子ですね。
女子の浜名遠江(通称トーエ)が最初に『ぼく』をいじめはじめ、トーエの取り巻き男子(トーエに気がある)が同調していじめ始めます。よくある展開。
で、トーエは『ぼく』が気になるからいじめ始めたみたいで、はじめはかなり辛辣なことも言っていたんですが、だんだん軟化していくというか…トーエと『ぼく』は友達になります。
するとおもしろくない男子。今度は2人がいじめられます。
よくある展開すぎて、本当に苛つくわ…。
トーエと担任の先生に。あーーーー、特に担任苛つく!!!
あとは、叔母、なんとか越境通学とかさせられなかったのか…?
してもどうせ無駄、とかなのかなぁ。難しいですね…。

秋『蟻と妹の自転車籠』はちょっと怖い話。
事件後の『ぼく』が事件前に『にもうと』と一緒に山を登ったことを思い出しています。
にもうとの狩りはこの頃からすでに始められていて、その狩りの送り迎えの役割を仰せつかっていたようです。
その日もいつも通り山へ送り迎えしていたんですが…。
やべーおじさんに遭遇してしまい、必死で逃げます。
やべーおじさん、体育館に来る人だったりしますか?
この頃からよく怪我する子だったんですね…。
やっぱり死なないみたいで良かったですけど。

冬『Happy Child』って、私のことかな。漫画『きらきらひかる』にも同じ名前の人が出てるんですよね…鬱。
これは『ぼく』が初めて『みーくん』になった日、でいいのかな。
まーちゃんはこの頃から『趣味: 誘拐』だったんですねー。…うわぁ。

そして最後、『とてももしもにもしかして『壊れていない正しさのある世界なら』』。
…これが一番泣きました。
何事もない、本当であれば小説にすらなっていないような、平凡な一日。
家を出て幼馴染と一緒に学校行って、放課後は部活やって。
今まで登場した面々も、『普通』に生活しています。海老原香奈恵さんも健在です。
はじめに出てくる『自殺した女医』って、やっぱり恋日先生だったのかな。
ここだけは嫌ですけど、他は…。
こういう世界が、あったかもしれなかったんですよね。
それを考えただけで泣けました。
こんなふうに、『普通』の子たちならこうやって生活していたのに。

Kindle Unlimited で読みました。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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