八つ墓村

読んだ本

横溝正史さんの『八つ墓村』を読みました。
横溝さんの小説は初めてです。

私は『自称・金田一少年の事件簿マニア』で、『金田一少年の事件簿』から始まる一連のシリーズの作品はほとんど持っています。
(CD ブック版第2弾、PS で発売されたゲーム、カードゲームなんかは持ってないですけど…)
けど、この『おじいさま』である『金田一耕助シリーズ』って、全然知らないんですよね…。
有名どころだと、「祟りじゃー」の『八つ墓村』、スケキヨが逆さまに刺さっている『犬神家の一族』、なんだか名前がかっこいい『悪魔が来りて笛を吹く』あたりですけど、ドラマなんかでも何度もやっているにも関わらずちゃんと見たことがありませんでした。
なので今回、『新年』ということもあり、『金田一耕助ファイル 全22冊合本版』を読んでみよう、と思ったわけです。
(人がバンバン死ぬ話が『新年』にふさわしいのかどうかは微妙ですけど)

ということで、角川文庫の『金田一耕助シリーズ』第1弾である『八つ墓村』です。
別に、この話が金田一耕助初登場作品というわけではないらしいんですね。
Gemini に聞いたところ、リバイバルで金田一耕助シリーズが人気になりだしたときに、角川文庫で第1弾として有名どころの『八つ墓村』を皮切りに発売した、とのこと。
本当の初登場は、2つ目にある『本陣殺人事件』というもののようです。

当然なんですけど「『金田一少年の事件簿』に雰囲気が似ているな」と思うところがたくさんありました。
一番近いと思ったのは『飛騨からくり屋敷殺人事件』、通称『首狩り武者』かなと思います。
多分、かなり意識して作られたんでしょうね。
でも、それよりももっと雰囲気が近いなと思ったのが、殊能将之さんの『美濃牛』でした。

『美濃牛』は、最初に読んだときに「探偵役である石動戯作の視点ではないんだー」と驚いたんですよね。
で、今回の『八つ墓村』も同じ驚きがありました。
あくまで別の人視点で、金田一さんはその人が語っている話に出てくる人物、という感じ。
これは、『さよならドビュッシー』で岬先生に感じた驚きと同じ感覚でしたね。

そういえば、『岬洋介』も「ピアノを弾くイケメンの金田一耕助」というコンセプトだったと記憶しています。
そういう意味でも近いのは当然なのかもしれないですね。

トリックとしては、まぁ昔の話なので「科学的なもの云々」というのはほとんどなかったです。
同じ毒が何度も使われるし、警備はザルだし、よくも悪くも昔の事件、という感じでした。
ただ、別の人が立てていた架空の殺人計画を乗っ取って実行したことや、村に古くから伝わる『落ち武者』の伝説や数十年前に実際にあった殺人事件をうまく使って隠れ蓑にしているところなど、今読んでも「鮮やかだな」と思えるところがたくさんあって感動しました。
村の地下に張り巡らされている鍾乳洞の洞窟の話なんかは、『金田一くんの冒険 1 からす島の怪事件』を思い出していました。

金田一さんがあくまで『手記の中の登場事物』として描かれているので、「『手記の書き手』とは違う思考経路で犯人にたどり着いた」というのはおもしろいんですけど、ちょっと置いてけぼりにされているような感じもあってさみしかったです。

登場人物・手記の書き手の辰弥さんは…なんというか、『ギャルゲの主人公』のようにあんまり個性の強くない男性でした。
『ヒロイン』の典子さんは、『知恵が足らない』という設定のはずなのに、後半は開眼したかのような活躍でしたね(笑)。
そのへんも、『飛騨からくり屋敷殺人事件』ぽいな、と思っていました。
そして、『ツインローバ』のコタケ・コウメ…じゃなくて小梅・小竹の2人の双子おばあさん。
ある意味影の功労者(?)だったわけですけど、残念なことになってしまってかわいそうでしたね…。
ビジュアルのイメージは完全にコタケ・コウメ(時のオカリナ)でしたけど。
残った方のローバの面倒は、誰が見るんだろう…なんて考えてしまいます。

やっぱり、有名な作品だけあって、インパクトもおもしろさも十分でした。
まだたくさんあるので、嬉しい限りです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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