受験のシンデレラ

読んだ本

和田秀樹さんの『受験のシンデレラ』を読みました。
和田先生の本は『1分間をムダにしない技術』以来です。

精神科医の和田秀樹先生が監督をした映画『受験のシンデレラ』を、和田先生自らノベライズした作品でした。
『1分間をムダにしない技術』でもこの映画に触れられていて、ものすごいスケジューリング技術を駆使して取られた作品なんだと書かれていました。
「読んでみたいな」と思っていたんですが、Kindle で発売されているのを発見し、早速購入しました。

現代版『あしながおじさん』のような雰囲気もある作品でした。
内容としては、ドラマ『ドラゴン桜』と、以前読んだ知念実希人さんの『レゾンデートル』を思い出させるような内容でした。

正直結末は予想できたのに、それでもかなり泣いてしまいましたね…。
すごくおもしろかったし、ステキなお話だと思いました。

ドラマ『ドラゴン桜』(第1期の方)は、そもそも和田先生の『受験は要領』という、和田先生自身をとても有名にするきっかけとなった本と、発売が同時期くらいだったようです。
その頃ブームになった『受験テクニック本』の代表格のような2作品だったそうですね。
その和田先生が、「『ドラゴン桜』は内容が高度すぎるので、まだ人を選ぶ」ということで、東大受験を更に『一般化』するためにこの『受験のシンデレラ』の映画を作ったとのこと。
なんだかそれもおもしろいなと思いました。

主人公の遠藤真紀は、都立高校を中退し毎日ジリ貧な中で生活している女の子でした。
いろんなことがあって「もう自分の人生なんてダメなんだ」と思って行ってしまった『デリヘル』の客に、こんな風に人生を救ってもらうことになるなんて、まさに『シンデレラ』的展開ですね。
…大部分の女性にとって、『デリヘル』は、悲しいですけど『堕ちた』と評されるようなことなわけです。
それとは逆に、『東大合格』というのは、多くの女の子にとっての『天国』かどうかはわからないですが、まさに正反対と言えるような出来事なのかもしれません。
真紀は、勉強の仕方だけでなく、これからの人生を生きていく方法までも教えてもらえたわけですね。
本当にすごいことだと思いますし、彼女の生涯にわたって忘れられない1年半になったと思います。
あのとき五十嵐さんが、戯れかもしれないけどあんなことを思いつかなければ、真紀はそのままデリヘルの仕事をしていたかもしれないですね。
もしくは、自分の母親にどこかに売られていたかもしれないですし、もっと悲惨なことになっていたかもしれないです。
五十嵐さんは、本当に素晴らしい贈り物をくれましたね…。

途中でいくつか出てきた参考書の名称、私自身は「東大を受けよう」と思ったことはないですけど、それでも聞いたことがあるものがいくつもありました。
物語の最初で五十嵐さんが経営していた塾の『金額』を聞くと、最後に真紀の母親が思ったように「金持ちじゃないと受からない」と思ってしまいますけど、実際に真紀が受かった方法であれば、「そこまでお金は必要ないのかもしれない」と思わせますね。
今の時代は、さらに AI なんかも活用すれば、もっと効率的に勉強を進められるかもしれないですね。
以前読んだ『1分間をムダにしない技術』にも書かれていた「答案を暗記する」という方法なんかのテクニックもいくつも書かれていました。
本来であれば、そういう部分もちゃんと見て「おもしろい」と思うべきなんだとおもうんですけどね。
私には、真紀が五十嵐さんに少しずつ心を許していくそのストーリーがすごくよくて…。
それが果たして『恋心』だったのかどうかはわからないですが、大事なものをたくさんもらえましたね。
それなのに、もう会えなくなってしまいました。
でも、きっとずっとずっと心のなかでは大切な人として存在し続けるんだと思います。
五十嵐さんも五十嵐さんで、最後の最後に真紀と出会えて、彼女が素直に自分を信じてがんばってくれて、本当に嬉しかっただろうなと思いました。
出会いが出会いだったんですが、奇跡的にお互い Win-Win だったんだな、と。

真紀の母親に関しては、すごく残念な大人として描かれていました。
現状、彼女は楽しそうではあるみたいですし、本人も「それでいい」と思っているようですから、真紀の重荷にならないのであればそれでいいんじゃないかと思います。
努力するもしないも本人の自由なわけですし、できない人はできないのかもしれないなと思います。
でも悲しいかな、将来的に真紀の足を引っ張りそうな気がするんですよね…。
まぁ、そのときの真紀はもうちゃんと自分で自分の人生を切り開ける力を持っていると思うので、どうやって切り抜けるか「お手並み拝見」という感じなのかもしれないですね。
こればっかりは、自分の力でなんとかカタをつけなければいけないことなのかもしれません。

真紀みたいな少年少女、私が想像しているよりもずっと多いのかもしれないですね。
自分としては、自分の子供の面倒を見るだけで精一杯だな、というのが悲しいですけど現状です。
教育の機会は、もはや『平等』なんかじゃなくて、それは悲しいことですけど。
そもそも和田先生がこの映画で訴えたかった「お金をたくさんかけなくても勉強はできる」ということ、考えてみたいなと思いました。
ちょっと、受験産業が加熱しすぎだな、と思うところもありますしね…。

展開的に、『元彼』にギャフンと言わせるフェーズみたいなのがあるかな、と思いましたけど、真紀本人の『ステージ』がかなり上がってしまったので、もはやそんなヤツはどうでもいいんでしょうね。
そうなのであれば本当に良かったと思います。
『赤いドレス』で行った入学式、ちょっと浮いていたかもしれませんが(笑)、きっと一番ステキだったんじゃないでしょうか。
これからは、今までできなかったいろんな経験をして、自分の力で自分の道を切り開いていってほしいと思います。
きっと、五十嵐さんも喜んでくれると思います。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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