長岡弘樹さんの『新・教場2』を読みました。
先日の『新・教場』の続刊です。
一気買いをした『教場シリーズ』も、これが最後です。
楽しかったなぁ…。
今回も、連作短編集形式でした。
7つの短編が入っていました。
1つ目は『会意のトンネル』。
前巻のラストで、十崎の逮捕劇をかなりあっさり終えてしまったのが正直かなり不満だったんですけど、なるほどこうやって今回1冊分かけて、どうやって十崎を追いかけ追い詰めたか、ということを、それぞれの人から少しずつ語らせていくという感じなんですね。
これはかなり期待が持てます。
今回の話は、結末の予想がなんとなくつきました。
でも、まさか『名前』にそんなからくりがあるなんてまったく想定もしていなかったです。
「1字もらった」ということで、どっちかの漢字がそのまままるっともらったものなんだ、と思っていたんですけど、まさかこんな形だったとは。
…それにしても、やっぱり警察学校というのはおもしろいところだな、と思います。
年齢が14も違う人が同級生になるわけですからね。
彼のお母さんも電話で『その名前』を出されたとき、まさに心臓が止まるような思いだっただろうな、と想像してしまいます。
こんな『運命のいたずら』的なこともあるんだな…と。
クラスメイトのひとりが、変な興味を持っていろいろ嗅ぎ回らなければ、この3人は卒業まで一緒にいられたかもしれないのに、と思うと残念ですね。
まぁ、若い子は大丈夫。
まだ若いから、別の道を見つけてがんばって欲しいなと思います。
もしくは、以前の『教場2』の美浦くんのように、もう1回チャレンジするっていうのもアリかな、と思いますけどね。
2つ目は『不作為の鏡』。
これは怖かったです…。
なるほど、サイコパスっていうのはこういう感じか、という見本のようなものですね。
パッと見で別におかしなところもなく、一応社会生活に溶け込んではいるものの、なんかこう不可解な行動を取りますね。
「知っているのに教えない」っていうのも、なるほどかなりの悪意ですね。
しかも、それが病気で、本人にとってかなりクリティカルになりそうなものなのに。
ただまぁ、『人による』とは思うんですけど、別に外科医の息子だからといって、そういう疾患に詳しいわけではないんじゃないかな、とは思いますけど。
私の友人の医者の娘は、そういうことにまったく興味がなさそうでしたので。
まー、本当に『人による』か。
で、これがやめさせるほどの理由になることかな、と正直思いました。
でもまぁ、確かに警察官という集団行動がかなり重じられる場所で、こういう人が1人でもいると、『不穏分子』という感じでそこからほころびが生じるかもしれないですね。
本当に『警察学校』というところは、『ふるい』にかける場所なんだな、とつくづく思いました。
ちゃんとこういうところで適切でない人材を落としてもらえているというのは、本当にありがたいことですね。
まぁ、一方で『サイコパス』は一般企業では「冷徹な決断を下せる」ということで、意外と出世したりする、と聞いたことがあります。
彼は、他の道を見つけて自分なりに生きていってほしいなと思いました。
もしくは、父親の後を継ぐということで、今からがんばって外科医になる、とか。
意外と悪くない選択じゃないかな、と思いますけど。
もちろん、頭の良し悪しにものすごく影響されると思いますが、外科医ってサイコパスの人が意外といる、とも聞いたことがあったので。
…いや、私がそう思っているわけではないです、はい。
3つ目は『遺恨の経路』
これは思いつかなかったですね…!
「なんか変な性病でもうつした3つ目は『遺恨の経路』これは思いつかなかったですね…!「なんか変な性病でも移したのかな」と思ったんですが、それだと自分も犠牲になってしまうし大変ですからね。
いやー、怖いですね!
この方法だったら、自分の手を汚さずに憎い2人を同時に苦しめることができますもんね。
以前何かで読んだ、ピーナツバターを食べたあとにピーナツバターアレルギーのガールフレンドとキスをしたら、その女の子が亡くなってしまった、というニュースを思い出しました。
ただ、確かに『避妊なし』で性交渉をしたとして、ペニシリンが体内に侵入するっていうことが現実問題あるのかどうか、ちょっと私には判断がつきませんでした。
というわけで Gemini 先生に聞いたところ、「稀なケースだけどそういうこともある」と教えてもらえました。
血液内や精液内にもペニシリンは侵入するため、相手の女性がペニシリンでのアナフィラキシーショックになり得るとのことです。
しつこいですが、本当に怖い。
ただ、「とても勉強しているな」という印象ではあるんですよね。
人材的には本当に惜しかったのではないでしょうか。
にしても、その前の段階で尾凪さんが言っていた「愛人に『妻とは別れるから結婚してほしい』と言った男と、その男に『早く離婚して私と結婚して』と迫った女、どっちが悪いか?」という話なんですけど、まさか女の方が悪いという結論になるとは…。
確かに男女関係だと、『どちらかだけが一方的に悪い』ということはほとんどない思うんですけど、この場合は『妻がいる』という安全地帯にいる男の方がより悪いとに思えるのに、そうじゃないんですね…。
4つ目は『白黒の極性』。
いやぁ、これも風間さんの鮮やかな推理がすごいなと思いました。
確かにこのケースだと、退校させるのが一番だなと思ってしまいます。
せっかくアパレルを止めて警察学校に受かったというのに、まさか先輩の『飲む打つ買うを経験しておけ』の言葉でギャンブル依存症になってしまうとは。
ちょっとかわいそうでした。
きっとそれまでは真面目に生きてきた人だったんだろうなーと。
素人から見れば、パチンコなんてあんなジャラジャラしたうるさい空間で何が楽しいんだろう、としか思えないんですが、はまるの人がたくさんいるということは、やっぱり計算し尽くされた遊びなんでしょうね。
それにしても、本当に風間さんはすごい。
目撃証言では「服の色が違う」というところにしか着目できなかったんですが、まさかそのすぐそばに重要な手がかりが隠れていたとは、夢にも思っていなかったです。
ルビンの杯に関しては、これもまたすごいなと思いました。
日頃から観察をしておけば、それが素地になって、いつもと違うことが図柄として浮かび上がってくる。
改めて、警察官というのは本当にすごい人たちなんだなと思いました。
5つ目は『犯意の影法師』。
これもすごい話でした。素人がやっぱりキノコなんか手を出してはいけないと思いますし、こういう事故も普通に起きてるんだろうなと思いますけど、まさかそれを計画的に利用することとは。
茹でたときの『水蒸気』だったとしても、こんなに大変な目に遭うんですねー。
キノコと言えば、『金田一少年の事件簿』の『魔犬の森の殺人』のオープニングででてきましたけど、あれも本当だったらすごく恐ろしいことなんですね…。
ギャグパートだったからみんな生きていられたけど…。
今回は、動機に関しては「多分これだろうな」というのは、早くに見当をつけられました。
口では好青年みたいな発言をしていましたけど、腹の中では多分憎悪でグルングルンしているだろうな、と。
でも、まさかそうやって実力行使に出てしまうとは。
本当だったら、がんばって成績で見返してやるのが筋なんだと思うんですけどね。
入院してしまった子は幸い軽症みたいだったのでよかったです。
そして、とばっちりを食ってしまった子。
どのように感じるか、この先どうなるか。
それも楽しみですね。
最後は『金盞花の迷い』。
これはね、私も尾凪さん同様「本当は本人もやめたくないんじゃないか」と思ったんですよ。
風間さん、ひどいなって。
けどまさか、一番最初の言葉からこの結論を導き出すとは…。
やっぱり本当にすごい。
確かに、最初に聞いたとき「ずいぶん子供っぽい表現だな」とは思いましたが、そこにこんなシーンが隠されていたのは。
そして、今回はそう呼ぶのはちょっとためらわれますが、『犯罪者』の娘であっても警察官になれるんだなというのは、本当に驚きました。
警察官は、採用試験のときに身元の調査をされるのは知っていたので、受かったってことは OK だったということですよね。
もちろん、犯罪の内容にもよるんだと思いますが。
風間さんの真意がわかったところで、やっぱりこの人は本当にすごいんだなと改めて思いました。
…何回目…?
本当に、尊敬しかないです。
こういう人が居てくれると、結果として入ってくる警察官のクオリティもかなり上がるでしょうし、ありがたい存在だと思います。
実際にこういう人、いるんでしょうか…?
十崎の逮捕に関しては、リレー形式で語られていましたが、思ったよりもボリュームが少なかったなと。
でも、やっぱりそこはみんなが強調していた通り、チームワークのなせる業だったわけですね。
これで、今出ているシリーズは全部読み終わってしまいました。
これから先も出るといいな…。
本当におもしろかったです。




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