殺戮の狂詩曲

読んだ本

中山七里さんの『殺戮の狂詩曲』を読みました。
中山さんの小説は『いまこそガーシュウィン』以来です。

ものすごく久しぶりの御子柴弁護士シリーズでした!
一番最初に読んだ中山さんの小説が、御子柴弁護士シリーズ第1作目『贖罪の奏鳴曲』だったので、御子柴弁護士シリーズにはかなりの思い入れがあるんです。
まぁ、「久しぶり」とは思ったものの、御子柴弁護士は中山さんの他の小説にもちょいちょい名前が出ていましたし、先日の『合唱 岬洋介の帰還』でもゲスト出演していたので、そこまでご無沙汰ではない感じです。

このとき刺されたところ、もう治ったのかしら。
というか、時制的にはどっちが先なんでしょうかね?

今回の小説の内容ですが、想起するのはもちろん例の事件でした。
小説の紹介文だけ見ると『恩讐の鎮魂曲』の内容とかぶっているような気がして「あれ、これ読んだやつだっけ?」とちょっと混乱していました。
今回は、導入部分に犯人の一人称での襲撃の様子が描かれていたので、「冤罪の線は薄いだろうな」と思っていましたし、本人が正気であることをアピールしていたので「『刑法第39条』も難しいだろうな」と思っていました。
にも関わらず、御子柴弁護士がこの案件にこだわる理由がぜんぜんわからなくて…。
最後の最後、ラスト2ページくらいでようやく明かされて、悔しいけどぐっときてしまいました。
…なるほど、前回自分がゲスト出演した『合唱 岬洋介の帰還』と同じじゃないか…、と。
悪徳弁護士として名を馳せている御子柴弁護士でも、岬先生みたいな一面もあるんだな、と思ってしまいましたねー。

今回も『真犯人』とも言えるような人物の存在がありました
その内容としては『毒島刑事最後の事件』のような感じ、でしょうか。

もともと犯人の忍野は結構頭のいい人なのかな、と思っていたんですが、いかに『先生』に洗脳されていたとはいえ、本当に被害者遺族から『感謝』されると思っていたというのが…すごいな、と。
しかし、先生の誘導は巧みすぎて舌を巻いてしまいました。
だって、露骨に順番の指示なんてしていないとはずなのに、『上級国民』=『個室』という感じで「そこからやっていけ」的な感じに誘導していたわけでですよね?
そうじゃないと、『先生』的にも具合が悪いですもんねぇ。
今回は、その誘導がドンピシャでうまくできたわけで、先生の『目的』は早々に達成されたわけですもんねー。
人心掌握術というのは本当に有用なんですね…。

しかし、まさかしゃべり口調から ADHD を見抜き、そこから真犯人につなげるとは想像だにしていませんでした。
しかも、立証を警察に丸投げしていて、「あっぱれ」としか言いようがありません(笑)。
まぁ確かに、彼が『先生』である証拠を、御子柴弁護士が見つける必要ってないんだもんなぁ。

忍野の犯行の動機ですが、『先生』が出てくるまでは、殺害した中に父親が存在していて…的な感じかと思っていました。
まぁ、そのようにミスリードされていたんだと思いますけど…。
今回の動機こそ、正しい意味での『確信犯』ってことでいいんでしょうか?
忍野は、最後は憑き物が落ちたかのように穏やかになっていましたか、結局死刑回避はできませんでした。
そういう意味では、御子柴弁護士は負けたのかもしれないわけですが、それでも内容的には大勝利でしたね…。
「『モンスター』としてではなく『人間』として死にたい」と、忍野本人に言わせたことこそが、御子柴弁護士の思惑通りになったわけですから。

『弁護士の勤めは依頼人の利益を第一に考えること』というフレーズ、今回の中に何回も出てきましたが、この事件は御子柴弁護士しか『解決』できなかっただろうな…、と思いました。
やっぱり、唯一無二の弁護士ですね。
…いろんな意味でね。

今回も Kindle Unlimited で読ませていただきました!
でも、御子柴弁護士シリーズは全部買っているので、単行本が出たら買い直すと思います(笑)!

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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