捜査線上の夕映え

読んだ本

有栖川有栖さんの『捜査線上の夕映え』を読みました。
有栖川さんの小説は『モロッコ水晶の謎』以来です。

『<国名シリーズ>』以来の火村英生シリーズです。
やっぱり火村先生好きですねー。
調べたところ、この本が『火村英生シリーズ』ではかなり新しい本だったようです。
先日読んだ『<国名シリーズ>合本版』には収録されていなかった『インド倶楽部の謎』『カナダ金貨の謎』よりも後だとのこと。
…まー、順番はいつも問題になりますが、そこまで重要じゃないでしょ、多分。

で、今回の話なんですけど、まさかのコマチさんメインの話でした。
最後の解説にも書いてあったんですが、確かに5章3節の最後までコマチさんの話だとは思っていなくて。
私も変な声が出ました(笑)。
本当にびっくりしましたねー。
確かに、前の何かの話で、コマチさんが離島出身だ、みたいな会話があったような気がしますけど、順番も考えずの乱読しすぎでどこに書かれていたかは覚えていないです…。
でも、その伏線がここで回収されに来たか、という感じです。

同じく解説に書いてありましたが、「これは恋愛ミステリーだな」と、私も読み終えた瞬間に思いました。
そして、ここ最近でずっと読んできた『<国名シリーズ>』とはまたちょっと違って、何と言うか私が一番最初に読んだ火村先生の話である『鍵の掛かった男』、あれにテイストが似てるなと思いました。

なので、やっぱり長編はおもしろいなって。

あと、これも解説に書いてあったんですが、今回は火村先生にしては珍しく、動機を解明することに重きを置いていたな、と思いました。
確かに、『島』に行かなければ、動機もだけど方法もまったくわからなかったよなーというところですね。
火村先生とアリスさんが2人で旅に出かけて、そこでゆかりの人たちに話を聞かなかったら、ここまではできなかったな、という感じです。
なにしても、火村先生・アリスさんみたいなレギュラーの人以外で、今回登場した人物の大半が『片思い』というのが、なんだかちょっと悲しかったです。
『ハチクロ』かよ、と。
そして、最後に明かされた『片思い』を聞いて、ようやく動機が腑に落ちたというか。
なるほど、こういうことだったのか、と思いました。
コマチさんがとっていた謎の行動の意味も、ようやく理解できました。
そして、真犯人とコマチさんの間の、双方向に見えてお互い一方通行同士だった『想い』も、辛かったですね。
そして、真犯人に手を貸した共犯者の隠れた想い。
それを想像して、涙が出ました。
やりたくなんてなかったでしょうし、気持ち悪かったでしょうし、大変だったでしょうけど…きっと、同じ状況になったら何回でもやるんでしょうね…。

物語の冒頭で『旅に出ることにした』とあって「あ、そーなんだー」と思い、『独りで』でいきなりびっくりして、「ケンカでもしたのかな…」と心配したんですが、まさかコロナ禍での話だと思っていなくて、なんだかすごく新鮮でした。
火村先生がタブレットを持ってるのも、すごく新鮮でした。
というか、彼らは未だに34歳かー…って、なんだか羨ましいなと思ってしまいますね…。
多分、私よりずっと年上だったと思うんだけどなー。

コロナが一番ひどい時から数年経って、今はだいぶ落ち着いてきました。
その段階でこういう話を読むと、「やっぱりあのときはかなり異常だったんだな」と、しみじみを思いました。
そして、あの当時日常だった『マスク』を常にしていることが、やっぱり警察の捜査にとってとてもやりにくいことだったんだろうな、というのを改めて実感しました。
確かに、防犯カメラでも顔わからなくなっちゃいますよね。
しかも、その格好をしていても目立つこともなく行動できるわけですし。

あと、防犯カメラの対策として『シーツをかぶる』というのが画期的でした。
確かに、その瞬間その辺の人には奇異な目で見られるかもしれないですけど、警察には身元がバレなくていい方法なんだなーとうのを、改めて思いました。
何かあったらそうしようと思います。
何もありませんように。

一見そんなに複雑そうに見えない殺人事件に、こんな動機とこんな方法が隠されていたとは…と驚かされた話でした。
やっぱり火村先生大好きです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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