長岡弘樹さんの『風間教場』を読みました。
先日の『教場0 刑事指導官・風間公親』の続刊です。
『教場シリーズ』の第4弾です。
今回は今までと違い、短編集ではなく1個の長編になっていました。
と言っても、いつも通り『教場』、警察学校の話です。
前回の最後に、風間さんが十崎に目を刺されました。
その際、その現場に居合わせた女性警察官である優羽子(ゆうこ)が、風間さんと一緒に『教場』の助教として働いていました。
そして、今回新しく生徒を迎えるにあたって、『教場』(1作目)で出てきた宮坂くんを臨時講師として召喚していました。
本人はとても喜んでいましたし、わずか数年でなんだかとてもしっかりしたような感じになっていましたね…。
なんだか感慨深かったです。
今までの『教場』ですと、生徒たちの方にフォーカスが当てられていた感じがしましたが、今回は風間さんによくフォーカスが当たっていたな、と思いました。
彼がどんなことを考えて生徒たちと接していたか、何を好んで何を嫌っているのか、そういうことが結構いろいろと書かれていて、4作目にしてようやく彼のことが知れたのでとても嬉しかったです。
冒頭で悲しい出来事がありました。
風間さんの教え子だった警官が1人交通事故で亡くなってしまいました。
それは優羽子にとっても思い入れのある生徒だったらしく、さらにその事故のきっかけを作ってしまった今季の生徒・漆原くんも重いものを背負ってしまいました。
さらに、最近転任してきた久光校長が結構な無茶振り野郎で、「今回の教場では1人も退校者を出すな」と言われてしまいました。
今までも何人も退校者がいてそれが普通だったのに、今回に限っていうのは無茶振りですよねぇ。
ただ、この校長、ただただ無茶なことを言って楽しむだけというタイプの人間ではないらしく、彼なりの考えもあったようです。
そして、風間さん同様鋭い観察眼も持っています。
校長になったのも納得かな、という感じの人でした。
今回フォーカスが当たった生徒は、先ほどの漆原透介くんの他に、伊佐木陶子さん、杣利希斗くん、兼村昇英くん、といったところでしょうか。
それぞれがそれぞれの『悩み』を持っていました。
特に、伊佐木さんと杣くんは『身内に警察官がいる』ということもあり、辞めたいと思ってもやめられない事情となってしまっていたようです。
最後には、ちゃんと警察官という仕事に意味を見出して、これからがんばっていけそうだな、という感じになりました。
まー、こんだけしんどい警察学校、本当に好きじゃなきゃ通えないよな…と。
いろんなしがらみがあって通わざるを得ないという人は、とってもかわいそうだなとは思いました。
後半で久光校長が溺れてしまうシーンがありました。
…あれは結局、「彼本人の足がつった」という結論でいいんですよね…?
私、「ひょっとして誰かに殴られて殺されかけたんじゃないか」と思ってしまいました。
多分、その前にも風間さんをちょっと巻き込んでのプールの『事故』があったので、「もう1回やらかしてしまった」ということで大丈夫ですよね?
そして一番最後。
…なんと、風間さんは『もう片方の目』もあまり見えなくなってきていているとのこと。
その分耳・聴覚がものすごく鋭敏になってきているみたいではあるようですが…
だからと言って、両方の光を失ってしまったら…警察官という仕事は続けていけるんでしょうか?
彼ほどに鋭い観察眼を持っていて、(本人は否定するかも知れませんが、外から見れば)警察の適正がありまくる人がこの『仕事』をできなくなるというのは、まぁ大きく言ってしまえば『国にとっての損失』だよなー、と思わざるを得ないですね。
まだ数巻あるんですが、さてどうなることやら…。




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