横溝正史さんの『金田一耕助の冒険』を読みました。
横溝さんの小説は『扉の影の女』以来です。
先日まで読んでいたのは『「金田一耕助」シリーズ』だったんですが、この『金田一耕助の冒険』はそのシリーズの中には入っていない様子。
基準がわからない…。
『びっくり箱殺人事件』を出してこっちを入れればよかったのに…と思ってしまいました。
しかし、この表紙。
金田一さん…なんですよね?
なんというか、あんまり顔は見たくなかったというか。
私の中では、やっぱり年代的に石坂浩二さんや古谷一行さんって感じなんですよね。
そのイメージとはちょっと違ったのでね…。
今回の本は、『○○の中の女』というタイトルばかり11本の短編が入っていました。
なかなかの大盤振る舞いです。
解説に「他にも『壺の中の女』と『扉の中の女』があったが、それぞれ『壺中美人』と『扉の影の女』として長編化(と言っても中編っぽいけど)されている」と書かれていました。
『扉の影の女』は先日読んだものですね。
『壺中美人』も、『「金田一耕助」シリーズ』の中にあるのを確認しています。
…Kindle Unlimited ではないので読めていませんが(笑)。
基本的に、いわゆる『Y 先生』だと思うんですが、その彼に対して金田一さんが事件の話をしている、という形の物語です。
どうやら、同名の映画があるらしいんですね。
ただ、その映画の原作ではないようです。
そして、その映画、古谷一行さん主演の金田一耕助なんですが、評判はあまりよろしくない(笑)。
さらにさらに、同名の単行本もあるようで、収録作品が違うときている。
Amazon のレビュー欄がよくわかんないことになっているのは、そういう事情があるからみたいです。
1つ目は『霧の中の女』。
結論までいくと「なーんだ」という感じの話でもありました。
「霧で前が見えなくて、ポストに抱きついてしまった」という女性が出てきますが、霧ってそこまで見えないものなんですか…?
そういえば『霧』ってあんまり遭遇したことないな、と思いました。
ポストに抱きつけてよかったね、と思いましたよ。
だって、気づかなかったら『強打』になっちゃいますもんね。
2つ目は『洞の中の女』。
セメントから髪の毛が生えているのを見て、「中に人が埋められている」と気づく話でした。
…いやー、怖いです、本当に。
「今まで気づかなかったのか?」「あまりここに来なかったし、見たときは雨が降っていたので髪の毛が張り付いて見えなかった」というのが、なんだか妙にリアルな会話だな、と。
犯人は「まさかこいつも殺人に絡んでいたとは…」という人物で、それも怖かったです。
3つ目は『鏡の中の女』。
「これはひどい」という感想です。
横溝先生を非難しているわけではなく、犯人の動機が、です。
…いや、結局横溝先生を非難していることになっちゃうのか(笑)?
今回、また『リップリーディング』が出てきたので、先日読んだ『鏡の影の女』の中の『鏡が浦の殺人』に出てきた助手の加藤さんかと思ったけど、違う人だったから良かったです…。
しかしねー、こんな動機で殺人しちゃだめでしょー。
金田一さんがもうちょっと関心を持ってあげていれば、ひょっとしたら防げた殺人だったのかも…と思うと、ちょっとモヤモヤします。
もちろん、金田一さんのせいではないですけどね。
4つ目は『傘の中の女』。
金田一さんと等々力警部、またビーチに行ってる…。
男だけでよく行きますねぇ、ナンパ目的でもないでしょうに。
『鏡が浦の殺人』にシチュエーションが似ていました。
そして舞台はやはり鏡が浦。
そこにたまたまいた金田一さんをアリバイの証人に仕立てようとしたんだけど、まー人選に失敗してますねー。
金田一さんじゃなくて他の人を選んでいたら、成功してたかもしれないですね。
残念でした。
5つ目は『鞄の中の女』
やっぱり電話は録音するに限る、と思わせる話です。
まさか「名乗らなかった」ということをこんなふうに利用するなんて。
『金田一少年の事件簿』でも、会話でポロッと漏らした矛盾点から犯人を突き止める、ということがありますけど、今回もそんな感じでした。
…やっぱり全録ですね、今の時代でも。
6つ目は『夢の中の女』。
これは被害者がかわいそうだなと思ってしまいました。
こんな戦中戦後の時代、金田一さん風に言うとみんなが「デスペレート」になっていてもおかしくない感じなのに、ちょっとふわふわしていた彼女が危なっかしくて、それでいて微笑ましくもあったんでしょうね。
今回、金田一さんがパチンコ好きなのが発覚しました(笑)。
ただまぁ、そのおかげもあり解決したのかもしれません。
歌手であった姉の死とは別に自分が巻き込まれてしまった事件、2つに偶然にも遭遇してしまって、やっぱり不幸でしたね…。
7つ目は『泥の中の女』。
これもまた、なんとも複雑なお話…。
一番びっくりしたのは、作家の川崎だったでしょうね…。
「愛人を殺してしまった!」と思って家に帰ってきたら、別の愛人が家の中で死んでいたんですからねぇ…。
これもまた、別々の2つの事件が絡みあった、という感じでした。
8つ目は『棺の中の女』。
『鞄の中の女』のような話だな、と思いました。
でも、こっちは彫刻の中に死体、です。
以前読んだ『悪魔の寵児』では、蝋人形の中に死体、でしたね…。
しかも、別々に2体。
あー、怖い。
「奥さんを渡す」とか、モノかいな、と思ってしまいます。
9つ目は『瞳の中の女』。
これ、「結局本当の犯人はわからなかった」的な感じでちょっとモヤッとすることはするんですが、金田一さんも言っていた通り「そういうこともある」って感じですね。
記憶喪失の男性の心に深く刻まれた女性の顔、ロマンチックな物語も書けそうな感じがしますが、「やっぱりそういうオチか…」とも思いました。
まぁ、思い出せたようで良かったです。
10つ目は『檻の中の女』。
まー、「舞台が揃いすぎていて逆に怪しい」と思っていたところでした。
というか、うっかり誰も見つけてくれなかったらどうしてたのかな…。
恥ずかしくないのかな…なんて思ってしまいます。
最後は『赤の中の女』。
結婚詐欺アンド結婚詐欺。
怖い世の中ですねぇ。
やべーやつ同士でやり合うのは歓迎なんですけど、他の善良な市民には手出ししないでほしいですわ。
そして、金田一さんと等々力警部、またビーチにいるんですね。
もう、好きなんでしょうね。
なんだかたくさん話しが入っていて、オトクなような感じもしますが。
でもやっぱり、長いものをガツンと読みたい気持ちもありますねー。



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