原田マハさんの『総理の夫 First Gentleman 新版』を読みました。
原田さんの小説は『あなたは、誰かの大切な人』以来です。
高市内閣が発足して1ヶ月ちょいくらい経ちました。
解説にありましたが、この小説は原田マハさんの理想の総理像ということで書かれたそうです。
この内閣と現実と比べるとまたおもしろかったですね。
この『総理の夫』の中の『相馬内閣』は、今まで与党としてやってきた大きな党『民権党』が野党に追いやられて、その当時野党だった小さな政党がパッチワークのように集められて連立を組んだ、という設定です。
主人公・相馬日和の妻である相馬凛子は、その新しい内閣で、日本初の女性総理大臣として奮闘します。
そういう意味では、今の現実での高市早苗さんとはちょっと状況が違いますね。
あとは、『原発』に対する考え方も、凛子は脱原発だけど高市さんは『最大限活用』となっているようですので、そこも違います。
でもまぁ、それは時代的なものもありますよね。
以前読んだ中山七里さんの『総理にされた男』でも、真垣総理も脱原発を強く公言していました。
『総理の夫』は2011年、『総理にされた男』は2013年。
どちらも東日本大震災が起きてから間もない時期だというのもあると思いました。
そして、高市総理・相馬凛子総理、それから真垣総理も、『国民へ直接語りかけるスタイル』というのは共通しているなと思いました。
それから、子育てや女性の働きやすさみたいなものを重点的に支援していくところも、高市総理も凛子総理も共通していますね。
まー今回、主人公は凛子総理ではなく日和クンでした。
この人は…なんというか…「いままでよく平穏無事に生きてこられたな」と思ってしまいます。
以前何かで読んだ小説にも超絶金持ちの男子大学生が出てきたんですが、いろいろな『障り』があるから『男女交際もろくにできない』みたいな感じでした。
…だって仮に子供でもできてしまったら、いろいろ差し障りがありすぎるわけで。
というか、本当にはできていなかったとしても、そう言って騒ぐ女性が出てくるだけでも大ダメージなわけで。
それに比べて、日和クンやその兄はずいぶん自由にさせてもらったんだな、と。
いままで『そういう感じ』で脅してくる人がいなかったということで、それは幸運なんだろうなと思いました。
今回、やはり以前読んだ『総理にされた男』と比較しながら読みました。
あちらに比べると『イベント』が少ないな、という印象はありました。
まぁ、『総理にされた男』の方がいろいろ起きすぎなんでしょうけどね…。
凛子総理が主人公ではないため、総理の公務についてはあんまり書かれていない、というのもあります。
日和クンの日常は、もちろん『総理の夫』になったことで一変はしましたけど、それでも基本的には研究所に行って仕事して、というものですからね。
そこまで180度変わるというものではありませんよね。
…そんななかで、「絶対『美人局』的なことが起きるだろうな」と思っていましたけど、案の定…という感じでした。
びっくりしたのは、その伊藤さんがその後も務め続けている、ということです。
よくもまぁぬけぬけと…と思ってしまいます(笑)。
相手が日和クンじゃなかったらそんなことはできないでしょうねぇ。
そして、その『問題』の解決の仕方も、いろんなパターンが想定された中、結果的に一番いいルートを選んだ、ということなんでしょうね。
やっぱり『運』を持っている人なのかもしれないな、と思いました。
コロンボ阿部も、そこまで悪い人じゃなかったみたいですし。
最後の凛子総理の懐妊も、「こんな時に」と思う気持ちと「ここを選んできたかー」と思う気持ち、両方ありました。
「総理を辞める」という決断も、わかります。
私自身、妊娠したいから仕事を辞めたという経緯がありました。
仕事しんどくて妊娠できそうになかったし、妊娠できたとして今まで通り働けなくなるだろうから、と思って辞めてしまいました。
日本の『ワーママ』たちからの「辞めないで」という激励もわかりますし、これから出るであろう『後輩』のためにもいろいろ整備してほしい、という思いもあります。
…『政府専用機』は『男性仕様』がすぎるな、と思ってしまったのでね…。
研究所の伊藤さんにもムカつきましたけど、広報の富士宮さんの『相手』の男性にもムカッとした。
なーにが「都合のいい話だけれど、できればずっと付き合いたい」だよ…。
自分は金だけ出して安全地帯にいる分際で、よく言えるよなー。
…でも、悪いのは相手の男性だけではなく富士宮さんも、なわけですよね。
そして、男性の妻子には(多分)罪はないから、そこは覚悟しなきゃダメなんでしょうね、辛いけど。
この相馬内閣が、原田マハさんの理想の内閣像。
今現実での高市内閣について、原田さんはどんな思いで見ているんでしょうか。
それに、凛子は『第111代』の総理大臣ですけど、高市さんは『第104代』です。
想定よりも早かった、ということですよね。
私も、自分が生きている間に女性が総理大臣になるなんて、本当に思ってもみなかったです。
1年前に高市さんが総理大臣になれなかったときは、本当にがっかりしました。
今回決まったとき、なんだかものすごく力をもらえたような気がしました。
「高市さんが女性だから」ではなく、「高市さんが優秀だから」総理大臣になれたんだと思っていますし、高市さんの優秀さを活かしてがんばってほしいと思っています。
…なんだか高市さんへのエールになってしまいましたね…。
この小説は2021年に映画化されていました。
されていたのは知っていたんですが、見に行けなかったんですよね。
なので、今回もキャストはその映画ので想像させてもらいました。
中谷美紀さん、ステキですよね…。
本当にぴったりだと思いました。
日和クンは田中圭さん…うん、すごく上手に演技されてそうなイメージが湧きます…。
富士宮さんは貫地谷しほりさん、ここもいいですねー。
前々から「性別なんかなければよかったのに」と思うことがしばしばありましたが(別に深刻な感じではないですけど)、こうやって女性ががんばっている物語を知ると、やっぱり「自分もがんばろう」って思っちゃいますね。
以前読んだ『女の国会』のときもそうでした。
まー、根が単純なものでね…。
やっぱり、一生懸命やっている人の物語はいいですね。
Kindle Unlimited で読みました。
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