横溝正史さんの『病院坂の首縊りの家 上』を読みました。
先日の『悪霊島 下』の続刊です。
ついにきました、最終章です。
副題に『金田一耕助最後の事件』と書いてあります。
…悲しい。
最初、表紙の構成がよく分からなくて、男の方の顔が五重塔のようになっているんだと思っていました…。
よくよく見ると、顔の部分に今回のキーアイテムである『風鈴』が重なって、その瞬間に撮られた写真、という構図になっているということですよね。
あー、びっくりした。
この小説のタイトル『病院坂の首縊りの家』、Wikipedia などで見たことがあったんですけど、「何という不穏なタイトルだ」とずっと思っていました。
今回、この機会に読めて嬉しいです。
で、タイトルですが、これは以前読んだ『火星の人』と同じようなニュアンスのタイトルなのかな、と。
あの小説は、火星に一人取り残されてしまった人の奮闘記、のような内容でした(ざっくり)。
で、無事地球に帰還して、多分数年たったあとに「そういえば、あの『火星の人』ってなんて名前だっけ?」「あぁ、『ワトニー』さんでしょ?」みたいな会話がどこかで繰り広げられるんだろうな…という感じです。
今回のタイトルも同様に、「そういえば、あの、『病院坂の首縊りの家』って、誰の家だったんだっけ?」「あぁ、『法眼』さんちね、今は誰も住んでないけど」みたいな会話が、どこかで繰り広げられていたんじゃないかな…と。
物語の冒頭で、「この事件は解決までに20年以上の歳月を費やした」と書いてありました。
なので、この物語は大きく分けて2つの構成になっていました。
前半は、その『20年ほど前』に金田一さんが最初にその事件にタッチしたときの話です。
病院坂にある廃邸宅の中で、ある人の愛人をしていた女性が首を吊って死んでしまっていて、その家の正妻が夫の愛人だった人の2人の子供たち(片方は義理)をずっと探していた、という導入から始まりました。
紆余曲折あり、その2人の兄妹の兄の方(義理の方)が、その廃邸宅で首だけ天井から吊るされているという形で発見されてしまいました。
…何ということでしょうね…。
この事件は結局解決せず、妹の方行方不明となっても見つからず、というところで上巻は終わっています。
金田一さんの最後を飾るにふさわしい、長い長い事件のプロローグといった感じでしょうか。
しかし、大体の金田一さんの事件って、血縁とか愛人とか…そういう人間関係ばっかりですね…。
まぁ、実際の殺人事件も、余分な枝葉を全部削いで行くとこういう要素ばっかり残りそうではありますけどね。
こんなのばっかり扱ってたら、金田一さんが『極度のメランコリー状態』になる気持ちも分かるわ…。
今回は『上巻』なので、まだ謎が残っている状態で終わってしまいました。
兄弟のうちの妹の方がまだ見つかっていないというのと、その妹がなんと本妻の娘と瓜二つだというところ。
その2人が、ライブハウスみたいなところで対峙しているというシーンもあったので、とりあえず1人2役的な話ではないみたいではあります。
その2人が入れ替わっていたりするのか、はたまた片方が殺されているのか、その辺がまだわからないまま終わってしまいました。
部屋に『風鈴』のように掛けられた生首。
これ以上、下巻で何が起こるんでしょうかね…。
そういえば、今回『多門修』という人が金田一さんの助手的な感じで出てきていました。
「あれ、『多門』って名前には聞き覚えがあるな…」と思い、Kindle で検索したところ(ホント便利だな…)、『女王蜂』に『多門連太郎』が、『七つの仮面』に『多門六平太』がそれぞれ出ていました。
…名字だから『流行り』ってことはないですよね…?
しかも、なんとなくですが、キャラ的に被る感じがするんですよね…。
『同一人物説』なんかもあるみたいなんですが、「ひょっとして、テキトーに名付けちゃったかな…」なんて感じもしてしまいました(笑)。
鳥山明先生もとっても忘れっぽいというエピソードを読んだことがあったので…。
さて、次でついに最後ですね。
すごく、すごく長かったですが、いざ終わりそうになるとやっぱりさみしいものです…。





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