横溝正史さんの『悪魔の百唇譜』を読みました。
先日の『悪魔の寵児』の続刊です。
『悪魔の寵児』『悪魔の百唇譜』と『悪魔』が続きました。
その前に、『悪魔の手毬唄』も『悪魔が来りて笛を吹く』もありましたね。
『百唇譜』という言葉を知らなかったので、調べてみました。
でも、ヒットするのはこの小説です。
どうやら造語のようですね。
読んでいてわかったんですが、要するに唇を『魚拓』のように紙に写す、いわゆる『キスマーク』をコレクションしたノートのようなものみたいです。
ある男性が、自分が『関係』した女の唇からこの百唇譜を作っておいて、それを脅迫の材料に使っていた、そのアイテムのことのようでした。
恐ろしいですねー。
『脅迫』についてもですけど、そもそも『【 百 】唇譜』なんか作れるくらいたくさんの女性と関係してたわけでしょ…。
いくら相手がそれなりにしっかりとしていた女性たちだったとはいえ、『病気』をうつされるかもしれないじゃないですか…。
というか、『写真』というものがなかった時代だったわけでもなく、現にその後いかがわしい写真がいっぱい出てきますからね。
にも関わらず『百唇譜』という形状のものをわざわざ作ったというのは、作成した本人の完全な『趣味』ですよね。
まー、だって写真の方が確実ですしね。
物語の中でも、実際に殺された女性とその百唇譜を比べてみて、「唇の釣り上がり具合が似ている」だのなんだのかんだの、というシーンがありましたけど。
『手形のハンコ』みたいなもんで、ちゃんと正しい角度と正しい力で押さないと、きちんとした証拠になり得るような『魚拓』なんか取れないと思うんですけどね。
今回の物語の冒頭では、どうやら金田一さんはちょっと乗り気じゃなかったみたいなんですよね。
この直前に別の事件に関係していたみたいで、「最近は事件を解決するとメランコリーになる」とのことです。
…その症状って、金田一くんも『金田一37歳の事件簿』が始まる前に陥っていたあの感じ、なのかなー…。
金田一くんの『あの事件』の詳細、いつか明らかにしてほしいなーと思うんですけどね。
今回の後半で、金田一さんが急に事件に興味を失ってしまうのが、なんだかちょっと尻切れトンボな感じでした。
急に急ぎ足で、急に『イニシャルトーク』が始まってびっくりしてしまいました(笑)。
『車の鍵が木の上に引っかかっていた』というところで、なんだか急に『僕の心のヤバイやつ』の『秋田けんたろう』を思い出して、ちょっとだけ胸がほっこりしてしまいました。
全然関係なかったですけど。
元々ゆすりを仕掛けていた張本人とその人の弟子みたいな存在がいて、ゆすりの材料としてその『百唇譜』が使われていました。
でも、事件後その百唇譜自体がなかなか見つからなくて。
関係者、というか『対象者』たちは相当焦ったでしょうね…。
それはいろんな人のところに流れ流れて、また恐喝に使われそうになったりしていました。
…なんかこういうのって、一度やってしまうとそれからずっとゆすりたかりのネタに使われてしまうんでしょうね。
本当に怖いです。
しかも、本人が自分の意思でやって、それをネタにされる、というのだったらまだわかるんですけど、そうじゃない場合もありますもんね。
以前読んだ、染井為人さんの『悪い夏』でも、主人公の男性がムリヤリ『ヤク中』にされてしまて、そこからやめられなくなってしまいました。
そういうのだと、本当に不幸ですよね…。
『秘密のもの』の隠し場所がすごかったです。
部屋のあるドアの上の溝に『蓋』がしてあって、その中に入っていました。
うちのドアも、思わず上の方を確かめてしまいましたよね…。
今回は、シャーロック・ホームズを好きな女の子が出てきました。
ホームズと金田一さんを比べたりするところがおもしろかったです。
金田一さんに向かって「コカイン注射する?」と聞いたりして(笑)。






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