仮面舞踏会

読んだ本

横溝正史さんの『仮面舞踏会』を読みました。
先日の『悪魔の百唇譜』の続刊です。

「なんだかすごく長いな…」と思いながら読んでいたんですが、後で目次を確認したところ、22冊中どうやらこれが一番長かったようです。
どーーーりで!
あとは、次の『白と黒』が次点のようです。
ここらが正念場ですかね。

真相を知り、なんというか「長い長い因縁がようやく終わったんだな」という感じでした。
「誰が一番悪いのか」と考えたんですが、もちろん『娘』をほったらかしにした『母親』も悪い、その『母』から金を引き出すためにどこかから赤ちゃんを盗んできた婆さんも悪い。
ということで、結局『大人が悪い』ということなんでしょうね…。
もちろん大前提として、殺人は当然ダメなことですけどね。

今回は、なんだか『ものすごいトリック』なんかがあったわけではないんですよね。
いろんな偶然が重なった結果、それまでの犯行がバレなかったため、それで調子に乗ってしまってまた同じことをやってしまったという感じでした。
幼い残酷さと、それをうまく隠してしまうような周りの人間の動き、荒れた天気、偶然の出会いなんかが本当に重なってしまって、ものすごく大きな事件になってしまった…という感じでしょうか。
どれか一つが別の動きをしていたり噛み合わなかったりしていたら、ここまで大事にならなかったんだろうな、と思いました。
そして、金田一さんも今回ははっきりとした証拠があったわけではなく、「論理的にこうだと破綻がない」みたいなちょっとぼやけた感じの推理が多くて、本人もちょっと煮えきらないところがあったようでしたね。
それについて、自分でも不満に思ってそうな感じでした。

現代でこそ、「ABO式の血液型で、両親の血液型によってどの血液型の子どもが生まれるか」なんてものは半ば常識となってしまっていますが、この時代だとそんなんでもなかったんだなーと。
それを、『子どもが入れ替わった』ではなく『不貞の結果』と取られてしまったのが、真犯人にとって不幸だったんですよね…。
父と思っていた人から『あんなこと』さえされなければ、この事件自体が始まらなかったかも知れないんですよね。
そう考えると、婆さんが一番悪いような気もしてきますね…。
「あれはわたしどもの一族とは縁もゆかりもない子ですからね」
なーんて婆さんは言いましたが、「あんたが育てたんだよ!」と言ってやりたいわ…。
「あの子がだれの子だかわからない以上、あんたはこの事件を完全に解決したとは言えますまい」なんてこともほざいていましたが、そんなこたぁないでしょーよ。
…結局、この婆さんも死んじゃうんだもんな。

そして。
一番最初に出てきた心中事件、どんなふうにしてこの事件に絡んでくるのかわからなかったんですけど…まさかそんなことになるとは。
偶然とは恐ろしいですね。
「どうせ死ぬなら」的な、『無敵の人』になっちゃったってわけでしょう。
才能ある青年だったようなんですが、とても残念です。

タイトルの『仮面舞踏会』、軽井沢が舞台ではありますが、催されたのは『盆踊り』だったので、「どこに『仮面舞踏会』的な要素が…?」と思っていました。
が、なるほど、最後で種明かしがされていました。
いわゆる『ペルソナ』の話、みたいな感じってことでしょうか。
(それよりも、もうちょっと俗っぽい感じな気もしますけど)
『ペルソナ』を被っていない人間なんて、いないんですよねー…。
そして、そんな会話をしていたこの2人も、最後は死んでしまいました。

金田一さんの事件では、やっぱり犯人が死ぬパターンが多いですね。
『金田一少年の事件簿』でも最初の頃はよく犯人が死んでしまっていました。
(コナンに揶揄されたこともありましたね…)
まー、ある意味『原作』に忠実だった、ってことなんですね。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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