横溝正史さんの『人面瘡』を読みました。
先日の『犬神家の一族』の続刊です。
今回は、『本陣殺人事件』以来の中編(短編?)集でした。
意外と短い話のほうが残酷だったりしますよね…。
今回は5個の話が入っていました。
最初は『睡れる花嫁』。
そんなに長くない短編のはずなのに、結構な数の人が死んでしまっていました…。
なかなかセンセーショナルな事件でした。
『替え玉』とか『死体のすり替え』のようなおもしろいトリックがたくさんあって、短いながらもインパクト大です。
若い男が女性に扮するというのは、『金田一少年の事件簿』でも『秘宝島殺人事件』を思い出しますねー。
それにしても、腐乱死体がいっぱい出てきて、警察は大変だったでしょうね…。
あとは、殺されてしまった巡査さん。
たまたまいただけなのに…かわいそうでした。
2つ目は『湖泥』。
短いながらもインパクトのある作品でした。
最初に「何代も何代も同じ場所に定着しているから、10年20年以前の憎悪や反目が、今なおヴィヴィッドに生きている」というナレーション(?)があったんですが、なるほど田舎ってそういうものだよなぁ、となんだか妙に納得してしまいました。
話の内容も、本当に「今までに積もり積もってきた本音をここでぶちまける」みたいな感じでした。
義眼といえば、この間まで読んでいた『教場』の風間さんもそうでした。
しかし、今回は義眼であることが知れた途端、みんな「騙された」と言っていて、なんかなーと思ってしまいましたね…。
だって、本人だって別に好きでそうなったわけじゃないのに、と思って…。
やっぱり、昔は女性に『人権』なかったんだなぁって。
トロフィーワイフ的な感じ、もしくは小間使い的な感じで見られていたんですかね。
悲しくなってしまいました。
しかし、前の作品といい今回といい、死体に『××』するのか好きなんですね…。
気持ち悪くないんですかね…。
以前読んだ『白夜行』を思い出してゾッとしてしまいますけど。
一番最後の種明かしは、「さすが金田一くんのおじいさん」といった感じ(笑)。
このパターン、『学園七不思議殺人事件』でもありましたねー。
「鍵穴にガムを入れる」ってヤツです。
なんか金田一くんを思い出して笑ってしまいました。
3つ目は『蜃気楼島の情熱』。
これは、真っ先に思い浮かんだのが、『金田一少年の事件簿』の『怪盗紳士の殺人』、トランクで死体を運んだときのトリックでした。
あれも、まさに金田一くんとさくらたちが乗っていた車のトランクで死体を運んでいた、というトリックでした。
しかし、今も大体そうなんでしょうけど、やっぱり金が絡んだ犯罪が多いですねぇ…。
しかも、跡継ぎとか、自分の能力ではない部分で相続される金に目がくらんだというものが大半ですね。
古今東西、殺人の動機はそんな感じなんでしょうね。
人からもらったものなんてどうでもいいじゃん…って、大金の相続なんかしそうにない一般市民は思ってしまいます。
今回もまた『義眼』が出てきました。
Gemini にきいてみたんですけど、やっぱり戦後直後のこの時代だと『義眼』は今よりかなり多かったみたいです。
『戦闘による負傷』『衛生環境』『医療水準』なんかなんでしょうね。
4つ目は『蝙蝠と蛞蝓』。
最後の最後、手のひらクルーがおもしろかったですね…。
にしても、女は恐ろしい。
そして、やっぱり『下宿』という性質上、そうやって勝手に部屋に入られてしまうんだなと思うと、今の時代だとちょっと考えられないですね。
そんな風に勝手に掃除されたんじゃ、プライベートも見放題になってしまうなと。
まさにそこから今回の事件が生まれてしまったわけですが。
しかし、「首を絞めながら心臓をえぐる」というなかなかアクロバディックな感じだったんですけど、せめてどちらか片方にしておけば真犯人がバレるのがもうちょっと遅かったかもしれないのに。
どうして同時にやっちゃうかねー、1人じゃないっていうのを自ら言っているようなものですね。
金田一さんは、こうやっていろんな人に請われて住居を転々とする生活をしているんでしょうか?
いつもは風間さんの二号さん(or 三号さん)のところですよね。
今回はこの期間だけたまたまなんでしょうか?
最後は表題作『人面瘡』。
『人面瘡』と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは中山七里さんの『人面瘡探偵』『人面島』ですね。
次に思い浮かぶのは、やっぱり手塚治虫の『ブラックジャック』かなと思います。
今回、『人面瘡探偵』にはあまり関係がなくて、『ブラックジャック』の方に近かったな、と思いました。
にしても、どこの世界にもこういう『姉のものを横からかっさらっていて喜ぶ妹』って描かれがちですねー。
見ていると悲しい気持ちになります。
うちの妹はそういう子じゃなくて本当に良かったです…。
この妹が、またなかなかの悪女だったわけで。
今回彼女が亡くなって短期的には悲しむ人もいるでしょうけど、長い目で見ると、まぁ申し訳ないですが「よかったかもね」という感じになっちゃいそうですね。
自分はそういう「死んで良かったね」と思われるような人間にはならないように、気をつけたいです。
今回のトリックは、そんな仰々しいものではないですが、何というか「目を盗んで」という感じでした。
『辛いところ』を引き受けてくれたんですね…。
このことを忘れずに、お嫁さんとしっかりまっすぐ生きていてほしいなと思います。








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