横溝正史さんの『三つ首塔』を読みました。
先日の『悪魔の手毬唄』の続刊です。
今回も、以前読んだ『夜歩く』に近いような感じの形式の小説でした。
金田一さんはあくまで『登場人物の1人』という感じで書かれています。
今回は、音禰というヒロインが、自分が経験してきたことを書き綴るという形式で進んでいきます。
ただ、『夜歩く』と違うのは、彼女は『信頼できない書き手』ではない、(多分…)というところでしょうか?
音禰は『いいところのお嬢さん』という感じなんですけど、本当の両親は亡くなってしまい、親戚の家に引き取られている状態です。
そこではとてもかわいがられて大切に育てられました。
しかし、遠縁の親戚から莫大な遺産相続の話が持ち上がり、そこから大変な逃避行をしなければならなくなりました…。
まー、正直かわいそうなでしたね…。
年頃の女の子で、しかもかなりかわいらしい姿をしているようなんですけど、たまたま偶然あった男性にレイプされるようにして初めてを奪われてしまうんですよね。
しかも、そこからその男性の虜になってしまって、その男といろんなところに行くたびになんだか死体がどんどん増えていって…という感じです。
音禰と一緒に逃げ回っている男、正体がいまいちつかめません。
なんだかいろんな『顔』を持っていて、そういうミステリアスな部分が魅力でもあり、一方で「本当に心の底から信じてしまっていいのかな」という気持ちがいつまで経っても拭えないんですよね。
「この男が、本当は一連の殺人事件の犯人なんじゃないか」と強く疑う一方で、その男性にどうしても強く惹かれてしまっていて、そのジレンマでかなり混乱しています。
戦後当時の女性ですから、気が付くとすぐに『主人と女召使い』みたいなしゃべり方になってしまっているんですよねー。
世相的に仕方ないとしても、やっぱりものすごくモヤっとしますね。
結局は、一緒に逃げていた男は殺人犯でもなく、「どこの馬の骨かもわからない男」でもなかった、というなんというかちょっとご都合主義的な感じのニオイもしますが(笑)、まーハッピーエンドっぽい感じでは終わりました。
一方で、犯人は何というか、「またロリコンか…」と感じてしまいました(笑)。
『女王蜂』みたいな印象がちょっとありますね。
音禰はこの犯人に1度捕まってしまっています。
そのとき、よくもまぁ何もされなかったな…と。
真相が明らかになったあと考えてみると、かなり危ない状況だったのかな…。
いやそこは、やっぱりなんとか理性を保ったのかな…。
そういう部分では、犯人は偉かったのかも知れないですね。
『金田一少年の事件簿』の『金田一少年の殺人』のように、疾走感があるというか、たどり着いた先でどんどん人が殺されていって、最後は自分たちも絶体絶命のピンチに追いやられる、というのは、かなりスリリングでおもしろかったです。
不謹慎ながらも『おにぎりが降ってきた』というところには笑ってしまいました…。
しかし、古井戸の底でチョメチョメ(死語)してた…ってこと?
それは…衛生的に良くないと思う…。
結局、彼らは『初めて』同士だった、ってことですよね…?
それで「離れられないくらいよかった」とのことだそうで、よっぽど男にスケコマシの素養があるか、2人の相性がよっぽど良かったということでしょうか…。
…まー、良かったですね…。
物語途中までの金田一さんに対する強い敵愾心と、最後の深い深い感謝が、ギャップがありすぎて…。
この人たちもかなり「手のひらクルー」でしたね。
そこもおもしろかったです。





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