リカーシブル

読んだ本

米澤穂信さんの『リカーシブル』を読みました。
米澤さんの小説は『ボトルネック』以来です。

前回の『ボトルネック』同様、なんだかシステマチックな感じのタイトルではありますが、こちらもまったくシステムっぽい内容ではない小説です。
なんだか全体的に気持ちが悪い内容で、完全に『大人が悪い』という感じなんですけど…まぁ、大人だけでもない、というか…。

『高速道路はすべてを救う』が全編通じてのキーワードとなっているんですが、高速道路にはまったく救われない感じなんですよね…。
むしろ、高速道路のせいでいろんな人が大変な目に合っています。
取り憑かれている、ある意味『高速道路教』というか…。

にしても、このお母さんにはがっかりとさせられますね…。
まぁ、本人もかわいそうな人ではあると思います。
せっかく再婚したのに、その相手もなんだかんだでクソみたいな人だったわけですし。
でもさー…だからって『子ども』にすべてしわ寄せが行っているのは、大人としてどうなんでしょうかね。
後半の、『離婚届』をゲットした後の会話とか、本当に酷かったです。

何と言っても、主人公の女の子が不憫でならないですね。
最初のあたりで「おみくじが嫌い」と言っていて、それはただ年齢的に『斜に構えた感じ』なのかなと思っていたんですが…なんと、実体験だったとは…。
でも、普段から『弟』に対して結構強めに当たっていたにも関わらず、『血の繋がりがない』にも関わらず、最後の最後で、彼女だけが弟の味方でした。
それは、弟くんにとっては本当に本当にありがたいことだったでしょうね。
しかも、「これからもずっとそうであり続ける」って。
お姉ちゃん、偉いよ、本当に。

『タマナヒメ』も、蓋を開けてみれば『種明かし』は「お母さんが嘘をついていた」ということだったんですけど。
その一方で、本当に『タマナヒメ』も存在してる感じでした。
町全体が気持ち悪いほどにある意味団結していて、なんだか本当に不気味でした。

最後に『明日、学校でリンカに会ったら、それとなく訊いてみよう』とありました。
「え、こんな事があっても『日常』続ける気なの…?」と、本当に驚いてしまいました。
でもまぁ、考えてみれば、『続ける』以外の選択肢がないのかもしれないですね。
どうなるかわからない『3年後』よりも、とりあえず目先の明日が気になるのは、仕方ないことですね。

にしても、本当に親父がクソ。
町の連中もクソ。
母親は…ちょっとだけクソ。
そんな中で、憎まれ口叩きながらも、弟という存在に救われているんでしょうね。

彼女が3年後…と言わず、すぐ後でもいいけど、なんとか心穏やかに生活できることを願います。
大人のしわ寄せが子どもに行ってしまうのが申し訳ない。
でも、なんとか自分の幸せを見つけて生きていってほしいなと思います。
そしてできれば、弟くんのことも気にかけてあげてほしいな。
もちろん、自分の生活・安全を確保するのが最優先ですけどね。

[AD]リカーシブル
さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
読んだ本
シェアする
さちこをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました