宮部みゆきさんの『ブレイブ・ストーリー 下』を読みました。
先日の『ブレイブ・ストーリー 中』の続刊です。
読み終わりました。
終わってしまいました…。
本当に壮大な物語でした。
何度も泣きましたし、つらいこともたくさんありましたけど(私じゃなくてワタルが、ですが)、読み終えて本当に良かったと思いました。
これは、本当に『宝物』のような本だな、と改めて思いました。
最後の最後で、ワタルとミツルの2人が集めている『最後の宝玉』が同じものだった、というのが、本当に小憎い演出だなと思いました。
しかも、それが北の大陸にあるなんて。
ミツルがこういう感じでガンガン行く子じゃなくて、北の大陸にたどりつけていなかったとしたら、ワタルはどうやって最後の宝玉を手に入れたかな…なんて想像してしまいます。
ワタルじゃ、多分できなかったんじゃないかな…と。
ミツルはすごくひどいこともたくさんしましたし、それは到底許されることではなかったかもしれませんが、最後の宝玉はミツルでなければ取れなかったかもしれないな、と思ってしまいました。
難しいですね…。
そもそもの一番最初、ワタルはキ・キーマに出会うことができたのが本当に僥倖だと思ったんですが、もしミツルがキ・キーマのような人に一番最初に出会っていたのであれば、こんな旅にはならなかったのかもしれないですよね。
ワタルのようにいろんな人と協力して、とまではいかないかもしれないですが、それでもこんなに殺伐とした旅にはならなかったんじゃないかな…と。
そうなっていたら、あのエンディングにはならなかったでしょうけどね。
ミツルが一番最後で自分のおばさんそっくりな王女に会う、というのが、本当にすごいなと思いました…。
「傾きすぎた天秤を元に戻す」。
小学5年生でそんなこと思えるぐらいすごく賢い子だからこそ、一切の迷いを捨てて自分の目的にだけ突き進んで行けてしまったんでしょうね。
純粋がゆえの今回の暴挙だったのかな、と思いました。
塔を登って行くときに『今までの光景が映されている』的な描写がありました。
なんとなくですけど、『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランド編、一番最後のクイズのシーンを思い出しました。
「誰が一番、グリードアイランドを楽しんだか」で優勝者が決まる、みたいな。
まぁ、あとは、『ニーアオートマタ』の『白い街』とか。
そして最後。
もしこれが『ワタル対ミツルの対決』だったら…まぁワタルに勝ち目はなかったかな、と。
でも、こういう方式かー、と。
…まぁ、再読なので知っていたんですけど。
すごくよく考えてあるなー、と思いました。
いわゆる『ダークリンク方式』ですね(そんな風に言うかは知らないですけど)。
この形式、最初に考えたのって誰なんですかねー!
私は、『聖剣伝説2』の試練の回廊の『シャドウ』戦が最初だったかな…と思います。
もしくは『DQ4』のマネマネ…? これは違うか…?
Gemini に聞いたところ、それこそ『リンクの冒険』のラスボス『リンクの影』ではないか、と言われました。
まー、一番最初にワタルが手に入れたのも『退魔の剣』(マスターソードの別名)ですしね。
そしてさらに、対オンバさま戦。
まさにその『退魔の剣』というワードが、ここで生きてきました。
確かに、見た目が『あれ』でそんなことを言われてしまったら、誘惑に負けてしまう人もたくさんいるだろうな、と思いました。
そして、誘惑に負けてしまった人たちが、デラ・ルベシにいた、ってことでしょうか。
ワタルの出した『答え』が『これ』でよかったな、と思いました。
彼は、この後の人生でもきっと後悔はしないんじゃないかなと思いました。
宝くじなんかに当たるのと一緒で、『再現性』がないですから、ここでもし『自分の最初の願い』を叶えてしまっていたら、これから先もなんかそういう変な『甘え』みたいなものを持って生きてしまうかもしれないな、と。
だからこそ、今回幻界のためにこの願いを使ったというのが、本当に本当に英断だったなと思います。
こんな決断は、ひょっとしたら小学5年生という『子供』だからできたのかもしれないな、とも思いますけど。
私が同じ立場におかれたら、同じ決断ができる人間でありたいな、と思います…。
そして。
『ヒト柱』にロンメル隊長が選ばれたというのも、またすごいですね。
彼だったら、その任務をちゃんと全うしてくれるだろうな、と思えます。
そしてまたいつか、カッツさんと同じ世界に生まれられればいいな。
冒険が終わった後に戻されたのが、あのお母さんが自殺未遂をしたところというのも、またおもしろかったです。
確かに、あそこでミツルに助けられたわけですから、あそこまで戻されるというもはわかるんですけど。
でも、それよりも先の経験がワタルにはあるから、なんだかごっちゃになっていておもしろいです。
途中でカッちゃんに会ったのも、ルウ伯父さんに会ったのも、結局なかったことになっちゃったけど。
でも、きっとあったんじゃないかなー、って思いたいです。
そして、お母さん。
ずっと見ててくれたんだな、と。
もう…。
やっぱり、ここでも『小学5年生』という年齢が効いているな、と思います。
もうちょっと大きかったら「マザコン」っぽい感じになっちゃいますけど、小学生だったらこうやってお母さんに見守られているというのも素直に受け入れられる感じがします。
…お母さんは、『誰視点』だったんですかね…?
ミーナがお母さんだった? カッツさん?
それとも『俯瞰』視点だったんですかね?
それにもすごく興味があります。
大松香織ちゃん。
彼女はなんでああいう状態になったんでしょうか?
十年に1回しか開かない『要御扉』なわけですから…ひょっとしてミツルが何かやったのかな、とか思ったんですけど…。
それとも「たまたま入り込んじゃった」みたいな感じなんでしょうか?
ヤコムとリリ・ヤンヌも、結局どうなったんでしょうかね…。
ワタルの分身であるダーク・ワタルのあの行動は、現実だったのか…?
正直、わからないところもありましたし、全部が全部クリアになってるわけじゃないです。
でも、そんなことどうでもいいと思わせるくらい、本当に素晴らしい物語でした。
再読してよかった…。
量が多目なので頻繁に読むことは難しいですが(笑)、また遠くないうちに読みたいと思います。
やっぱり、Kindle 買ってよかったなー。



コメント