伊坂幸太郎さんの『フーガはユーガ』を読みました。
伊坂さんの小説は『死神の浮力』以来です。
この『フーガはユーガ』、書店とかでよくポスターを見ていました。
どんな話かはしらないけど、なんかおもしろそうだなと漠然と思っていた本だったんです。
息子(中1)が、クラスの本棚にあったこの本を学校の読書の時間に読んでいると言っていて、私も買って読んでしまいました。
ちなみに、息子よりも先に読み終わったっぽいです。
いや、しかし、なかなかヘビーな話でびっくりしました。
溺れる女性を見て興奮するとか、えっと、中学校の本棚に置いておいて大丈夫な本かな…? と一瞬思ってしまいましたが。
でも、あとがきには、この文庫版の方が単行本よりも表現がさらにマイルドになっているとのことでした…。
「単行本、どんだけだよ」と思ってしまいましたけど。
仙台に住むろくでなし男性の息子である双子の優我くんと風我くんが、ろくでなしの父親から自らの生命や尊厳やプライドやもろもろを守るために立ち向かっていく話…かと思っていたんですけど、それどころじゃなかった…という感じです。
「双子で超能力がある」というと、真っ先に思い出すのが以前読んだ『ヒトコブラクダ層戦争』でしょうか。
まー、あれは三つ子ですし、三つ子がそれぞれ違う超能力を持っていました。
あとは…『ミラクル☆ガールズ』…歳がバレる…。
今回の双子たちは、2人合わせて1つの能力しかないんです。
だから、雰囲気的には先日読んだ『七回死んだ男』が合っているかな、と思いました。
本当に、本当に偶然なんですけど、先日の『読売中高生新聞』の伊坂さんの記事で、御本人が『七回死んだ男』を推薦していたんです!
びっくりしましたねー。
しかし、双子が入れ替わるというようなことが実際に起きるんでしたら、この間読んだ『マジックミラー』では楽に事を遂行することができちゃいますね(笑)。
話の最初で、テレビ局の制作スタッフみたいな人に声をかけられて双子が入れ替わる話を始めます。
優我が自分の過去を話し始めんですが、何度も「自分の話には嘘が混じっている」と強調するんですよね。
「何の牽制をしてるのかな…?」と思ってたんですけど、最後の最後で「あぁ、そういうことか」と。
すごいですね…。
今回の計画のために、いろいろ一生懸命練ったんだろうな、と。
同じようにろくでもない母親が先にログアウトして、その後ろくでもない父親も強制的にログアウトすることになってしまいました。
そのときに『相方』もログアウトしちゃったのかな…と悲しく思ってたんだけど、まさかまさかの展開でした。
想定外のことがたくさんあって、でも想定外のことに助けられた部分もありつつ、本当に想定外のことが起きてしまって、最後…あれか…と。
本当に悲しいかったです。
伊坂さんは今でも仙台にお住みなんですかね?
「広瀬川で何か事件が起きたら、仙台市民はやっぱりショック受けるだろうな」って、その描写がなんだかすごく生々しいなと思いました。
なんとなくなんですが、広瀬川では何も起こらないでほしいなって気持ち、ありますね…。
なんか急所を突かれた気がしました。
作中に出てきた榴岡公園で、私は高校の時に花見をしてゲロ吐きました。
仙台駅の話とか愛子駅とか、そういう具体的な地名を出されると、やっぱり弱いですねー。
悲しいことに、どうにもクズな人間というのがいるのも確かで、それが今回の場合、自分の父親だったりしたわけです。
そういう人たちから自分が被害を受けないためには、一体どうしたらいいんでしょうかね。
被害を受けるのはいつも弱くて小さな存在ばかりですね。
やっぱり、子供が犠牲になる話は読んでいて辛いです。
インタビュアの高杉は、風貌は多分違うんでしょうけど、なんとなく『仮面ライダーガヴ』の酸賀さんを思い浮かべながら読んでいました。
まさかこんな展開になるとは本当に予想していなかったので、本当にびっくりしましたねー。
ガヴでも酸賀さんは敵でしたしねー(笑)。
あとは、ワタボコリくん。
本当に直前のギリギリで、こんな運命的な再会なんてあるんだなーと。
しかも、あの性格でまさか結婚までしていたとは…という感じでした。
さらにさらに、奥さんが身ごもっているのを見て、1度は巻き込むのをやめようと思った…というのも、なんかグッときました。
でも、本当に彼のおかげで命拾いしましたよね。
…拾えなかった方もありましたけど。
しかし、関係者一同の胸に深く重しとなって残っていた『血塗られたシロクマのぬいぐるみ』。
あれも、最後までこんなに引きずるとは思っていませでした。
そう考えると、やっぱり話の構成がすごいですねー。
私なんかの世代ですと、『踊る大捜査線 THE MOVIE』の小泉今日子さんを思い出してしまいますけど。
せっかく優我ががんばってがんばって最後まで持って行ったのに、結局ハルコさんとはあのときに別れたままだったのか、というのが悲しいです。
今回の騒動が落ち着いて、いろいろ報道もされてしまったことで、ハルコさん達とも交流が復活するかな…とちょっと思っていたんですけどね。
誤解されたまま『お別れ』した優我が不憫でなりません…。
あとあとで理解してくれた、と信じたいです。
一方で、風我は小玉ちゃんと幸せになって、子供も2人。
しかも双子ですね(笑)。
…優雅は今も風我のそばにいるんでしょうかね…?






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