はじめる力

読んだ本

安野貴博さんの『はじめる力』を読みました。
安野さんの本は初めてです。

2024年の東京都知事選に立候補して得票数5位となり、その後参議院議員になられた、あの安野貴博さんの本です。
先日見た『サラタメさん』の YouTube 動画で紹介されていました。
2025年の4月に出た本なので、都知事選に立候補したときよりはあとですが、参議院議員になった2025年7月よりは前に書かれたもの、だと思います。

やはりものすごくおもしろい経歴の持ち主ですし、いろんなことを考えている本当に頭のいい人なんですねー。
東大卒で、SF 作家でもあり、ベンチャー企業の社長でもあり、そして今現在は政治家。
こういう賢くて IT のリテラシーの高い方に政治家になってもらえたというのは、日本にとって本当に大きな財産になるだろうと思いました。

多分、多くの人と同じなんですが、私も安野さんのことを初めて知ったのは都知事選のときでした。
娘が「ポスターの中に、女の人が泣いてるやつがあるよ」と言っていて、「どれのことなんだろう?」と思ったら安野さんのポスターでした…。
確かに、髪の毛が長いので女性に見えなくもないですし、顔に少し赤みが多い感じだったので泣いてるように見えた…みたいです。
そのときはそれで終わり、という感じだったんですが、その後に精神科医の益田先生の YouTube に出演されたのをきっかけに、少しずつ安野さんを見ることが増えました。
そして、彼が進める『政治活動』がすごく良くて、「これからはこんな風に変わっていってほしい」と思えるようなものだったので、すごく感動したのを覚えています。

本書にも書かれていたんですが、私も一番印象に残っているのは『選挙ポスター貼り』の件でした。
『選挙ポスターを貼る』という行為を見事に『ゲーム化』し、有志の方が自分が貼った場所を地図上でポイントすると、「ここは貼られた」というマークがついて全員に共有される仕組みです。
他の人はそれを見て、「まだ貼ってないところで、ここだったら自分が貼りに行ける」と自分で動ける仕組みを作っていらっしゃいました。
結果として、業者に頼まずに自分たちの力で全部のポスターを貼り終えた、というのを、何かで知ったんですよね。
私は常々「なんで、選挙ポスターはわざわざ自分で貼りに行かなければいけないのか」と思っていたんです(今も思っていますけど)。
「『あの板』を作っている場所に行って、そこで自分の枠に貼ってしまってから掲示してもらえばいいんじゃないの?」とずっと思っているんですよね。
…まぁ、『政治』のやることだから、そういうこともやらないんだろうな、とも思っていましたけど。
本書にも書かれていましたが、「ポスター貼りはその選挙に対する本気度を示す」みたいな指標も兼ねている、ということは私も聞いたことがあったので、「そんな考え方をする人たちがいる限り、効率化は無理なんだろうな」と思っていました。
でも、まったく違ったアプローチで解決できるということを示してもらえたのが、すごく『目から鱗』という感じだったんです。
…まぁでも、そもそもポスターを貼りに行くのはムダだなとは思いますけど。
板に全員分で貼っちゃえばいいんですから。
もしくは電子掲示板化するとか…。

安野さんのすごいところは、そういうポスター貼りのシステムだったり、『AI あんの』だったりのソースコードを、全部公開するところ、ですね…。
それこそ、政治に対して本当に『本気』なんだったら、次からそのシステムを使わせてもらって、その分リソースを他に集中させることができますよね。
そうすれば、もっとうまいい具合に選挙を進めていけるんじゃないかなと思いました。
私は知らなかったんですけど、都知事選の後も東京都の活動のアドバイザーをされていたり、いろんな活躍をされていたとのこと。
今回参議院議員になってしまったので、もうそういうアドバイザーはやってくれないのかな…。
都民にとってはダメージですね…。
でも、今回参議院に当選できたのはすごいことだなと思いました。
何度でも書きますけど、やっぱりこういう賢い人が新しい視点で新しい風を入れてくれると、ただ年取って重鎮って崇められて偉そうにしている人たちよりも何十倍も何百倍も有益だと思うので、本当に本当にありがたいと思います。

やはりいろんな経歴を持っている安野さんらしく、いろいろな視点から書かれていました。
経営者の視点だったり、プログラマーの視点だったり。
おもしろかったのは、組織に心理的安全性がものすごく必要だ、と書かれていたところ。
今回の都知事選では、「ものすごい短期間でたくさんのボランティアの人たちに動いてもらわなければいけない」という、今までやったことがないようなスピード感を求められていました。
いろんな試みをとりあえず作って、それがダメだったらすぐ改善して改善して…という、いわゆる『アジャイル』の手法をどんどん取り入れていったそうです。
結局ポスターも全部貼れましたし、最初の泡沫候補だと思われていたのに、結果的には得票数を第5位まで伸ばせたわけですから、すごいことです。
そんな安野さんが言う『組織の心理的安全性』。
最近読む本には多く書かれているキーワードですが、やっぱり説得力があるなと思いました。

そして、ここでも書かれているのは、二次情報よりも一次情報を取りに行けということ。
この本を紹介していたサラタメさんも言っていましたが、一次情報というのが今後は貴重になってくるというのはなるほどなと思いました。
そりゃ、人から聞いた情報が溢れているこの世の中で、自分自身が得ることができた情報は貴重になりますよね。

小さな中間ゴールをたくさん作っておく。
目標に到達するまでの階段をできるだけ細かく刻めるようにしておく。
これは、ちょうどこの間新刊が出て、前の巻から読み直した『ワールドトリガー』でもヒュースが同じことを言っていました。
…前巻のあのシーン、前読んだときも今回もボロボロに泣いたんですが、目標設定って大切ですね。
まさに今まで自転車に乗れなかった人が乗れるようになった、という貴重な経験ですからね…。
何か新しいことができるようになるということはすごく貴重なことです。
そうやって、自分が始められることを少しでも増やしていけるように、私もがんばりたいなと思いました。

この本のタイトルが『AI で未来を見据える』とかそういう名前ではなく『はじめる力』なので、やっぱり試行回数を増やすことが一番、ということ…ですよね?
1時間半ぐらいでさらっと読める感じの本だったんですけど、すごくおもしろかったです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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