今野敏さんの『渋谷署強行犯係 虎の尾』を読みました。
先日の『渋谷署強行犯係 宿闘』の続刊です。
現時点でのシリーズ最終作なんですが…。以前第2巻である『義闘』を読んだとき以上に脳がバグりました。
前作の『宿闘』から10年くらい経っているのはまぁいいんです。少し渋みを増した竜門先生が楽しめるなら。
でも、竜門先生は『常心流』の達人だったはず…? 今回、はじめの方で急に『沖縄空手』の師匠が訪ねてきたことから物語が始まるんですが、急に『沖縄空手』って言われても…と。
ただ、空手自体が沖縄が発祥と言われているようで。『義闘』や『宿闘』にも『ナイファンチ』という言葉が出てきていました。竜門先生が自宅で半紙を敷いてやってたアレです。これは空手の型の1つだそうで、言葉の雰囲気からしてやはり沖縄方言風の発音だそうで。日本の標準語で書くと『ナイハンチ』となるとのことです。対して変わらんけど。
なので、まー沖縄空手の達人だったんだな、と考えることにしました。脳がバグってますけど。
ただ! 真理ちゃんのことはちょっと見逃せませんでした。
前巻から10年経っているにも関わらず、竜門先生と真理ちゃんの仲がまったくと言っていいほど進展してないじゃないですか…! これは由々しき問題ですよ。女性の10年を無駄にしているのはかなりの問題です。20代なかばで若かった真理ちゃんも30代なかばになってしまいました。齢を取ったからダメってわけじゃないです、もちろん。でも、10年も放って置くのはどうかと思いますけど…。
真理ちゃんも真理ちゃんですよ。10年も待ってる必要ないのに! 一応、ただのアシスタントから竜門先生の整体の弟子にはなったみたいですが、いやいやそういうことじゃなくて。10年かけて何もしてくれない人には見切りをつけたほうがいいと思うんだけど…。
まぁ、完全に他人事なので、私が言うようなことじゃないですけどね…。
沖縄からわざわざ会いに来てくれた大城先生ですが、東京で起きた不可解な事件をテレビで見て居ても立っても居られなくなったようです。はじめはその情報しかなかったので、「やっぱり格闘家の人っていうのは悟空みたいな感じなのかな」なんて思いましたが、確かに自分の弟子がしでかしたことかもしれないと思うと、そういう行動にでても仕方ないですね。
この渋谷署強行犯係では、1巻目の『密闘』では『八極拳』、2巻目の『義闘』ではフルコンタクト空手、3巻目の宿闘では『相撲』が、それぞれのラスボスの技(?)でした。
そして、最終巻の今回は、ついに『同門』ということですよね。なかなかグッと来る演出です。会ったことない兄弟子ではありましたが、何やら往年の RPG のような展開でちょっとワクワクしました。
しかも、竜門先生も本当に紙一重で勝てた感じでしたね。それもまた、なんか良かったです。
最後の最後でちょっと愉快なオチがついたので、一安心でした。よかったよかった。
この最終巻『虎の尾』の単行本が2014年なので、さすがに続刊はないのかな…? 今頃は竜門先生も50代になっちゃってるかもしれないので、いい加減落ち着いていてほしいと思いますけど。辰巳さんも定年だろうしね。
そういう意味では、この人たちの物語に一応の区切りがついたので、ちょっとスッキリしました。でも、急に設定が替わって本当にびっくりしたので、違うシリーズとしての展開でも良かったかも知れないけど…。まぁ、おもしろかったので良いです。
Kindle Unlimited で読みました。
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