今野敏さんの『渋谷署強行犯係 宿闘』を読みました。
先日の『渋谷署強行犯係 義闘』の続刊です。
密闘・義闘・宿闘です。どれがどの話かわからなくなりそうです。
密闘と義闘は、読むと中身は違うんですが。あらすじだけだと同じ話と勘違いしそうだったんです。今回の宿闘もそうなのかな…と思ったんですが、ガラッと違う感じの話だったのでちょっと安心しました。
と言っても、辰巳さんが事件を持ってくるのと最後に決着をつけるのは同じですけど。まぁ、整体師の竜門先生が事件と出会うのは辰巳さん経由じゃないとできないでしょうし、格闘家として決着をつけるのは当然ですね。
密闘では八極拳という中国拳法の使い手がラスボスでした。次の義闘はフルコンタクト空手のチャンピョンがラスボスでした。
そして今回は相撲です。相撲というと、格闘技にあまり詳しくない私でも元横綱の曙さんが K-1 の試合で倒れていた様子(とその AA)なんかが連想されてしまいます。だから、他の格闘技とやって強いのかなーと。
でも、竜門先生との勝負はスポーツの『試合』ではなく『殺し合い』みたいなもので、反則などもまったくないので、相撲のぶちかましの要領での頭突きなんかを受けたらひとたまりもないですね…。
竜門先生は常心流の使い手ですけど、今巻ではじめに狙われた2人は普通のおじさんだったから、そんなのを食らったからダメだったんでしょう。もちろん殺人をしていいわけではありませんが、殺された2人はそれなりの報いを受けたのかな…と思ってしまいます。残った1人もちゃんと罪を償ってほしいと思います。
竜門先生が、今回の犯人が使っていた武術(?)のことを「相撲」「摔角」「角抵」と言っていました。「摔角(そうかく)」で検索すると Wikipedia の『シュアイジャオ』というページにたどり着きます。
そこには『シュアイジャオは中国でも最も長い歴史を持つ格闘技であり、漢書(1世紀)には手縛と記述されている。後に時代によって角抵・角抵戯・角觝・角力・相撲・摔角と表現が変わる。』とありました。
今回の決戦の舞台だった対馬は韓国・中国に近い島なので、そちらの文化も融合してこのような独自の格闘技になったってことなんですかね。
そして、その対馬の位置が悪用されて犯罪が行われ、その尾がこのときまで引いてしまったのも悲しいなと思いました。女性はいつも被害者、なんて被害者ヅラする気はないですが、やっぱり被害者になりやすいですね…。
さて、次でこの『渋谷署強行犯係』も最後です。
はじめの『密闘』には『今回改めて渋谷署強行犯係シリーズとして刊行し、評判になったら4巻が出るかも』的なことが書かれていたと思うんですが、4巻が出ているということはその目論見が当たったということですね! 出版社の方のマーケティングはすごいんですねー。
次も楽しみです。
Kindle Unlimited で読みました。
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