斜線堂有紀さんの『廃遊園地の殺人』を読みました。
斜線堂さんの小説は初めてです。
廃遊園地と聞けば、思い出すのは『NieR:Automata』の『遊園地廃墟』と曲の『遊園施設』ですよね! …いや、異論は認めます。私はあのステージが大好きだったので、当然連想したわけです。なので、読んでる間は BGM として『遊園施設』でも流そうかなー…なんて思っていたんですが。
まー、そんな余裕はありませんでした。
いやー、ダイナミックな展開だし、雰囲気は不気味だし、ギャニーちゃんは…かわいくない…し…。
いやいや、遊園地のキャラクターって、なんか不気味なの多くないですか。関東や関西の夢の国は置いておいて、幼い頃よく行った後楽園遊園地のドンチャックとか…もういないけど…あれ、いるのか…ちょっと外見変わったな…。昔はなんか怖かったですよ。今もピエロ全般怖いですけど。ピエロ恐怖症までは行かないですけどね。
『ギャニーちゃん』も、しばらくして「あれ、ギャビットだったかな…」って間違えちゃいました。ギャビットだと某オレンジの野球ウサギと間違いやすいので NG ですねー。
眞上永太郎は廃墟マニアのフリーターで廃墟ブログなどを運営していて、その道ではちょっとした有名人です。そんな彼が、イリュジオンランドという廃遊園地の限定公開イベントに当選したため、そこへ向かうところから始まります。
このイリュジオンランドでは、かつてプレオープンで地元住人たちなどが招待されていた日に、住人の一人が観覧車から猟銃を発砲、4人が殺害され8人が重軽傷を負った事件が発生しています。イリュジオンランドはイリュジオンリゾート計画の目玉だったため、計画自体が頓挫してしまい今に至ります。
遊園地に着いて参加者を確認すると、自分と小説家の藍郷、OL の常察、『月刊廃墟』の編集長の編河以外は、イリュジオンランドでかつて働いていた関係者でした。
自己紹介を済ませたあとこのイベントの目的が明かされます。なんと、現在の所有者である十嶋庵氏の『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』というメッセージが発表されたのです。参加者は色めき立ち、『宝』を探すために別の参加者と協力したりしながら思い思い捜索を開始します。
1日目が終了し、参加者は用意されたコテージで休みました。ただ一人、眞上だけは自分の用意した寝袋で寝ていました。
2日目、参加者で元経営陣の主道が、マスコットキャラクターのギャニーちゃんのキグルミを着せられ、遊園地の鉄柵に深く突き刺さった状態で発見されました。もちろん息を引き取っています。これを皮切りに、不可解な出来事が起き、また人が殺され、昔の確執などが徐々に明らかになっていきます。
誰が参加者を殺しているのか? なぜそんなことをするのか? 昔起きた銃乱射事件の真実はなんだったのか? 廃墟を舞台とした殺人事件に眞上が挑みます。
この主人公の眞上くんがちょっと不思議な人物でした。普段はコンビニで働いているようですが、何かに付けて何でもコンビニにこじつけるので、以前読んだ『コンビニ人間』を思い出してちょっと面白かったです。
何かに付けて野球に例えたり、みたいな人もいるので、自分の仕事にこじつけるのも不思議ではないですが、若いのにおもしろいなーと思いました。
彼の過去も最後の方で少し明らかになるんですが、なかなか大変な道を辿ってきた人物でした。面白いキャラクターなので、連続モノなのかな? と思いましたが、斜線堂さんの Wikipedia では特にシリーズものとは記載されていませんでした。残念。
途中で『利き手』についての考察が出てきました。
腕時計についてなんですが、やっぱり一般的には利き手と反対にするものなんですかね…? 私はそうしているんですが、うちの息子は右利きで右手に付けるんですよねー。ミスリードっぽくてそれはそれでいいのかなと思っているんですが。本人曰く特に利き腕でも不便ではないとのことなので、まぁそのままにしています。なんだろう、Suica 搭載のスマートウォッチとかだったら便利かもしれないですね。そんな高価なものは着けていませんが。
まー、でも、一般的にはやっぱり利き手と逆、なのかなー。
Kindle Unlimited が猛プッシュしてきたので読んだんですが、おもしろかったです。私の好みを把握し始めたのか…? と、ちょっと嬉しい。
斜線堂さんの他の作品にもチャレンジしてみたいですねー。
Kindle Unlimited で読みました。
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