森博嗣さんの『今はもうない SWITCH BACK』を読みました。
先日の『夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER』の続刊です。
いやぁ…騙されました…。
誰か知らない人が突然語り部になっていますし、『西之園嬢』も『下の名前』を(かたくなに)言わないもんですから、「多分萌絵の話じゃないんだろうな」とは当たりをつけていたんです。
でも、「じゃぁ誰なのか?」というのがわからなくて。
誰かの創作の話なのか、もしくは萌絵のお母さんの話なのか?
でも、萌絵のお母さんだったら、若い頃は(多分)『西之園』じゃないはず…なので、じゃぁ結婚した後の話なのか?
…とか、いろいろ考えてしまいました。
もうちょっとちゃんと考えていれば、誰なのかすぐに想像がついたでしょうに…。
なんかすごく残念な気持ちです、自分に対して。
そうは思いつつも、話が進んでいくうちに「主人公は萌絵」で想像してしまっていたので、「犀川先生というものがありながら、なんてハレンチな!」とか「前回、親友に対して『迂闊すぎるあなたが悪い』って責めたくせに、自分はこの体たらくかよ!」とか、いろいろムカムカしながら読んでいました(笑)。
それも、最後に種明かしされて、全部雲散霧消しましたねー…。
なるほどねー!
なかなかロマンチックな出会いだったわけですね!
今回の語り部の『笹木さん』の、ちょっと優柔不断というか、なんだかはっきりしないところとか、なるほどなーと。
こんな感じなんだったら、やっぱり『西之園嬢』にきちっと尻に敷いてもらって、いろいろ仕切ってもらっていた方がいいんでしょうし、ここまで『出世』したのは彼女のおかげもあるんでしょうね。
Amazon のレビューでは「この話が一番好き」と書いてあったのがいくつかありました。
最初は『萌絵の話』だと(結局)思っていたので、読んでいる最中は「こんな浮気っぽい感じの話のどこがいいんだ…」って、やっぱりムカムカしながら読んでいたんですが(笑)、確かにすごくおもしろかったです。
最後もなんだかかわいらしかったですね。
ただ、この話を書いた経緯について話していたんですけど、ひょっとして『奥さんに対するラブレター』だったんですかね。
しかも、ここまで書いたのに『解決編』を書かないところが「なんだかなー」という感じでした。
まぁ、出版するのであればちゃんと書かなきゃいけないでしょうし、そもそも『本当にあった(とされている)事件』を題材に書いたわけですから、関係者各位にはいろいろ確認をしなければいけないでしょうから、出版のために書いたわけではないんだろうな、と。
そう考えると、やっぱり『奥さんに対してのラブレター』なんでしょうかねー。
なんとなくですけど、『館シリーズ』の『黒猫館の殺人』を思い出すような感じでした。
今回も前回も、あんまり彩川先生が活躍しなかったのは、犀川先生ファンとしてはちょっと残念です。
事件の中身としては、『封印再度 WHO INSIDE』に似たような感じだった、ということでしょうか。
本当であれば、そんな驚くようなことではなかったはずにも関わらず、ちょっとした本人たちの意思が働いたのと、発見者の別の思惑から、いろいろごちゃごちゃとなってしまった、という感じでしょうか。
本にも書いてありましたが、『この夏』が『彼』にとっての『スイッチバック』になったとのこと。
まぁそうですよねー。
良かったのか悪かったのかは、まぁ本人たちじゃないとわからないですけど、まぁ部外者・読者的にはよかったんじゃないかなと思います。
萌絵とあの人はよく衝突していますが、同類だからゆえというのもあるんでしょうねー。
ははは。
ある意味、正統なナンバリングではなく、ちょっと番外編みたいな感じではあったかもしれないですね。
でも、本当におもしろかったです。
Audible で読みました。
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