時限病棟

読んだ本

知念実希人さんの『時限病棟』を読みました。
知念さんの作品は『仮面病棟』以来です。

タイトルや表紙からわかっていたことですが、
『仮面病棟』の続編的な作品でした。
ただ、前回の主人公である速水医師や川崎愛美さんなんか
は出てきませんでした。
個人的には、川崎さんがあの後どうなったかすごく気になるんですけど…。
その代わり、舞台はあの『田所病院』です。

主人公の看護師である女性倉田梓は
目が覚めると入院着を着て大人用のおむつを着けられて
点滴をした状態で病院のベッドに横たえられていました。
混乱していると、自分と同じ状況の人物が合わせて5人いました。
彼・彼女たちを信用していいのかすらわからない状況で、
とある壁にピエロの絵と指示文のようなものが書いてあるのに気づきます。
そしてそのそばには残り6時間あまりをカウントダウンするデジタル時計。
なにかのお遊びかと思いきや、
病院の1階にはガソリンの入ったポリタンクが置かれています。
これは、本物の『命をかけたリアル脱出ゲーム』だと気づき、
5人で何とか生きて脱出するために動きます。
しばらく行動していると、手術室にピエロの仮面を被されて
横たえられている人物がいました。
その人物は自らをジャーナリストだと言い、
彼の記事のせいで芝本という医師が『自殺』を図りました。
そして、集まった5人はいずれもその芝本医師と
繋がりのある人物だったのです。

前回の舞台と同じ田所病院なので、
登場人物の皆さんよりもアドバンテージがあるというか(笑)、
「あのエレベータがあるじゃん」なんて思いながら読みました。
『犯人側』の人間が誰なのか、なんとなく目星は付いていたものの、
まさか『あの』人物まで犯人側だったとは! と驚きました。
そもそも、この廃病院を買い取ってリアル脱出ゲームの会場にするなんて
なかなかエキセントリックですよね…。
安かったかもしれないけど、お客さんが来ないんじゃ…。
私だったら行きたくないもん…。

リアル脱出ゲーム、一時期すごく話題になってましたけど、
私は未経験なんです…。
2010年くらいからいろんなところでやるようになってましたけど、
その頃妊娠・出産だったので、そういうイベントに行けなかった…。
夫は一度会社の人と参加したみたいなので
結構根掘り葉掘り聞かせてもらったんですが、
「(私)が好きそうな感じのイベントだったよ」と。いいなぁ…。
なので、私にとってのリアル脱出ゲームは
『金田一少年の事件簿』の『ゲームの館殺人事件』だけだなー…。

謎解きの仕掛けだけでなく、
それぞれの登場人物の性格やらバックボーンやらも複雑に絡んでいて、
なかなか読み応えがありました。
でも…続編は…見込めないのかな…。
あ、『舞台』を変えれば大丈夫か!
続編、出るといいなぁ。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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