シンシアリーさんの『韓国の絶望 日本の希望』を読みました。
シンシアリーさんの本は『「高文脈文化」日本の行間 ~韓国人による日韓比較論~』以来です。
今回の本もなかなかすごいことが書かれていました。下手なホラー小説を読むよりずっとゾッとします。
前回の『「高文脈文化」日本の行間~』では、こんなに日本に悪感情を持っている国が近所にあって、しかもしれっといろんなものを持ち込んで来ているのか…と愕然としたものです。
20年くらい前に母と妹と3人で韓国に旅行に行ったんですが、その時ガイドをしてくださった方がなぜか私達に(失礼な言い方ですが)突っかかってくる感じで、ちょっと怖かったんですよね。あとはまぁ、冬ソナが流行ったあの時期だったし、現にうちの母はそれにどっぷりハマっていたんですが、「日本人には冬ソナ関連見せとけばいいんでしょ」みたいな感じの案内だったのが残念でした。もちろんそんな人ばかりではなく、道がわからずにウロウロしていたときに日本語で話しかけてくださった女性(「日本が隙で勉強している」と教えてくれました)はとても親切でありがたかったので、「いろんな人がいる、個体差だ」と思っていたんですが。
前巻の内容を読んで「そういう『教育』だったら、仕方ないんだろうな…」と思うようになりました。だからといって、それでいいとは思っていませんけど。
今回の本では、韓国の国内の現在の状況が書かれています。
『N ポ世代』『自殺率世界1位』『合計出生率0.78』など、なかなか刺激的なタイトルが続きます。
日本の現在の合計出生率は1.20程度とのこと。2人の人間が結婚するわけだから(しなくてもいいけど)、基本的に合計出生率は2以上ないと人口が維持できないわけですから、1.2はかなり低いですよね。それが0.78とは…。滅亡してしまう…。
『分断』というキーワードで書かれている本書ですが、その出生率の低さの原因に『男女間の分断』をあげています。日本でも『まんさん』というネットスラングなんかがありますが、韓国ではまさに『男女嫌悪』となっている現状とその理由がたくさん書かれています。『男性において女性が、女性において男性が、(中略)『絶対に関わりたくない対象』になっており』という衝撃的な文章もありました。
これはすごいですね…。一応、生物としては男と女があって、両方いないと子供は生まれないわけですから、それぞれ『絶対に関わりたくない対象』だったら生まれないですね…。
日本も昔は男尊女卑というか、家父長制というか、『女性』ゆえにできなかったこと・我慢させられたことがたくさんあったと思いますが、韓国も同じかそれ以上だったようで。今は女性も強くなったので、その反動でしょうか。先日読んだ『薬屋のひとりごと』でも『女性は医官になれない』という話だったので、まぁ昔はどこの国もそうだったのかもしれません。『薬屋のひとりごと』の茘という国はフィクションですけど。
あとは、前回の『「高文脈文化」日本の行間~』にも書かれていたことですが、自分と他人を常に比較して、どちらが上なのかをきちんと決めたがる文化というのもあり、より分断が起きやすいみたいです。怖いなぁ…。
お金に対する執着、『親ガチャ』的な話、『賃金未払』など、日本でも話題になることが、より濃くより大きく降り掛かっている印象を受けました。
以前も書きましたが、とても窮屈な印象です。なかなか苦しい。だからこそ余計に、日本人に対してヘイトを向けてくるんでしょうか…?
もちろん、この本に書かれていることがすべて真実なのかどうかはわかりません。
韓国の出生率はググったら『0.72』、もっと下がってるじゃーんという感じでした。
すべてを鵜呑みにするわけではないですし、この本を『参考』にする機会もあまりないんですが、やはりお隣のことを知れてよかったなと思います。本当に。
最終章には、シンシアリーさんが考える『日本が韓国と同じ轍を踏まないためにはどうしたらいいのか』ということが書かれています。
『日本には昔から「恥は自分によるもの」とする考え、「話せばわかる」などの考えがあるからか、怒りが他人【 だけ 】に向けられ、そのまま分断に繋がることは韓国ほど目立ちません』とありました。『自責』も強すぎると害ですが、ある程度は必要だと思います。まぁ、一人ひとりの『良心』みたいなものだけを頼りにするのはダメですけど、自分でできることからやっていかないとなー、と思いました。
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