中山七里さんの『闘う君の唄を』を読みました。
中山さんの小説は先日の『連続殺人鬼カエル男ふたたび』以来です。
今回の話はきつかったです…。
途中で読むのやめようかなと、何回か思いました。
今回の主人公は喜多嶋凛という女性、
幼稚園教諭として働き始めたばかりです。
勤務地は埼玉県秩父市にある神室町というところです(架空の地のようです)。
新任でいきなり、年少の2クラスのうちの片方に
担任として入ることになりました。
彼女、かなりの熱血で、通勤の電車で泣いてる子供を無視して
スマホを見ている母親に食ってかかったり、
園の教育方針と明らかに違うような教育をしようとしたり
(教育的にはかなりいいとは思うんですが、
保護者の会の意向とはまったく違うし、
1クラスだけ、しかも付き添い1人だけで行くようなところじゃない…)。
物語の後半では、彼女のかなり重要な出生の秘密が明かされるんですが、
「だったらなおさらこの幼稚園に来ないでしょ…」と。
いろんな人から怒られたり嫌味を言われたり後ろ指をさされたり…。
本当にきつかったです。
『共感性羞恥』ということでいいのかな…?
昔からこういうのが苦手です。
ちょっと毛色は違うけど、映画の『パラサイト 半地下の家族』が
地上波で放送されたときに録画したんですけど、
半分しか見られませんでした。
お金持ちの家で勝手に生活始めるあたりかな…?
「あー、もうダメだ」と諦めました。
話としてはおもしろかったです。
『真犯人』はなんとなくわかったし、
日常の『事件』の流れで知りたかった真相が明らかになるのもおもしろかった。
幼稚園の先生にはいつも本当にお世話になっているので、
仕事の大変さにフォーカスした部分も読み応えがありました。
ただ…園バス降りて一人で家に帰るとか、あり?
うちは息子と娘で幼稚園が違うんですが、
両方とも迎えがないと園に連れて帰られてしまいます。
それから、幼稚園の事情が事情でも、
ここまで保護者の会にでかいツラさせておくんですかね…?
など、ちょっとモヤモヤしてしまう部分もありました。
しかし、中山さんの引き出しの多さには本当に驚きますね…。
いろんな題材を用意して、更に大どんでん返しも混ぜ込んで。
次も楽しみです。
Kindle Unlimited で読みました。
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