逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。
本当に何回も泣きました。
読んだのはちょっと前だったんですが、今でもたまに思い出します。
物語の始まりは、まぁ言ってしまえばRPGとかでよくある展開かもしれません。
自分以外の村人が全員死んでしまって、
自分もあわや殺されるという時に援軍が来て助かる。
でもその援軍のボスには嫌な目に合わされるし、特訓は厳しいしで、
彼女を憎みながら日々の生活を送り、
スナイパーとしての訓練を受ける。
主人公の女の子はロシア軍の狙撃手なので、
敵と言えばこの場合はドイツ軍のことです。
ここが重要、だと思います。
タイトルにもなっている
『同志少女よ、敵を撃て』
というフレーズですが、
物語中1回だけ出てきます。
その出てくるところがものすごい絶妙で、
そのことを思い返すだけでまた涙が出そうになります。
まさかここで出てくるとは、という感じ。
私はなんとなくFF9の発売当時を思い出しました。
主人公のジタンのビジュアルに
「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
というのがあったんですが、
あの発売当時そのセリフはヒロインのダガーに向けて言われるものだと
ほとんどの人が疑わなかったと思います。
…ですよね?
でも実際は、物語の本当に終盤、意外な人物に対して言うセリフでした。
その感覚を思い出しました。
違うのは、FF9のときは温かい気持ちになったんですが、
今回はすごく悲しい気持ちになったということ。
どうしてこうなってしまったんだろう、
どうすればこうならずにいられたんだろう、と。
戦争ものの小説なので人はたくさん死んでしまうんですが、
このシーンは本当に辛かった。
男性特有の集団心理みたいなものについても言及されていて
興味深かったです。
すごい作品だなぁと思いました。
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