中山七里さんの『ふたたび嗤う淑女』を読みました。
先日の『嗤う淑女』の続編です。

いやー、今回のはなー…、またなんというか、胸糞悪いと言うか。
ここまで壮大な計画を完遂したというのに、
その動機は『趣味』みたいなものだから。
恐ろしい女です。
今回も前作と同様の章仕立てになっていて、
これまた同様に章には人名が冠されています。
前回から引き続き、今回も野々宮恭子こと蒲生美智留が主人公です。
彼女は前回の最後に『野々宮恭子』になってそのまま生活を続け、
今は神崎亜香里という女性をアシスタントとしています。
今回はその亜香里を通してクライアントたちと接触を図り、
また一人一人とその人生を弄んでいきます。
面白かったのは第2章、新興宗教の教団の話です。
宗教の教えを書籍化して信者に売る、という話なんですが、
なんか既視感があるなぁ、と思ったら
以前読んだ中山さんの『笑えシャイロック』にあった話なんですよね。
あっちでは、「以前試した方法」としてこの話が紹介されています。
なるほど、ここからつながっていたのかー、と。
やっぱり、こういうことがたくさんあるから
中山さんの小説は油断できません。
そして最後、ついに美智留も最期を迎えるか…と思ったら。
まーじーかーよー! と唸ってしまいました。
たしかに、『野暮ったい化粧』が何度も強調されていて、
何なら「そんなに何度も言ってあげないでよ…」とかわいそうに思っていたんですが、
まさかの…。
いやー、おそろしい。
ただ、上にも書きましたが、
動機が『趣味』なのがちょっと悲しかったです。
そういう性格だから、と言ってしまえばそうなんですが、
私自身こんなのに巻き込まれちゃったら…と思うと看過できないというか。
小説として読んでいる分にはおもしろいんですけどね。
現実にこんな女性がいませんように。
Kindle Unlimited で読みました。
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