幸福な生活

読んだ本

百田尚樹さんの『幸福な生活』を読みました。
百田さんの小説は先日の『輝く夜』以来です。

輝く夜
百田尚樹さんの『輝く夜』を読みました。百田さんの小説は『夢を売る男』以来です。 いやー、今回の小説は甘い。甘々です。クリスマスをモチーフにした短編集です。5つの短編が入っています。その中で1つだけ、『ケーキ』という短編はちょっと悲しい感じで...

こちらの『幸福な生活』も、先日の『輝く夜』と同様短編集です。
こちらは19本もの短編が入っています。
そして、『輝く夜』との決定的な違いは、読後感の違いですかね…。
『輝く夜』は甘々で幸せな気持ちになったのに対し、こちらはどんでん返しというか、思わず「うへっ」と言ってしまいそうな結末ばかり。ちょっといやーな気持ちになる感じですかね。ミステリーではないと思うので『イヤミス』ではないと思うんですが、どうなんでしょう?

19本も短編が入っているので、1本あたりはサクッと読めます。
印象深かったのは『残りもの』。いやー、怖いですね。
終わりに差し掛かるにつれ、不穏な臭いがぷんぷんしてくるのを感じます。

あとは『ビデオレター』。
金田一少年の事件簿の『黒死蝶殺人事件』みたいな話です。『動機』こそ違いますが、『結果』は同じだというか。
全編、亡くなった妻が夫に対して送ったビデオレターの体裁で進みます。
他の短編と同様、はじめは穏やかな感じですが、進むに連れてどんどん不穏になっていきます。
人生の晩年になって取り返しのつかないような告白をされてしまったら、どんな思いになるんでしょうかね…。あぁ、怖い。

ラストの表題作『幸福な生活』は、先日の『輝く夜』の『ケーキ』と同じような内容の作品でした。
にも関わらず、描かれ方でこんなに印象が変わるんですね…。すごいなぁ。

昨年ガンであることを公表された百田さんですが、先日ガンの手術が成功したとの発表がありました。とても嬉しいです。
何年か前に『作家引退』を発表されたみたいなんですが、また何か新しいのを書いてくださるかもしれませんし! ぜひ、お待ちしています。
術後の経過も順調でありますように。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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