翔田寛さんの『黙秘犯』を読みました。
先日の『冤罪犯』の続刊です。
『船橋署刑事課・香山亮介シリーズ』の第2作です。やっぱり前作を読んでいるので、香山さんたちのこともすんなり入ってくる感じでした。読む順番大事。
今回は、幼い頃の事件のために世捨て人のようにして生きてきた男性と、親のすねをかじって不自由なく暮らしているだけでなく周りに害しか及ぼさないような男性が描かれていました。前者の男性はずっと悔恨の念を抱き続けながら生き、後者の男性は刹那的に犯罪を繰り返していました。しかも、後者の男性は『稲毛にある国立大学』って…。私の同級生にもそこに入った子がいましたが、頭のいい子だったなー。物語の中では、その男性の父は代議士だったんですが、国立大だから親のコネも関係ないでしょうし。…ですよね? 違う? 最近は国立でもコネある?
とにかく、まさに両極端というべき境遇の2人でした。恵まれた環境で、某国立大入れるぐらいの頭があったのに、もったいないですね…。自分の欲望を、そういう風に処理するしか知らなかったんでしょうか…。
そういえば、『代議士』って具体的になんだろう…と思い調べてみたんですが、主に衆議院議員のことを指すんですね。これは知らなかった。『議員』とかと同義語かと思っていました。
そういえば、自分には政治家のお子さんの同級生とかいなかった(と思う)んですが、小説とかだと大体こんな感じで横柄だったり裏表がすごかったりする人物として描かれますよね。大体が家が金持ちだろうし、『お金』とか『権力』とかにまみれて生活しているイメージなので、そういうもんかな…とも思いますが、どうなんでしょう…。昨今のニュースでも裏金だの何だのとでてますからね…。でもまぁ、なんというか、中山七里さんの『総理にされた男』の真垣総理みたいな政治家がいるといいんですけどね…、本物死んじゃったけど。
今回も、最終章の取調室での直接対決は、手に汗握る感じでした。少しずつ少しずつ追い詰めていく感じが良かったです。はじめたときはまだ決定的な物証が揃ってなかったこともあり、外野からチャチャを入れられたこともあり、ヒヤヒヤしていましたが…最後はスッキリできてよかったです。
ただまぁ、実際にこんなスッキリできる事件ばかりではないんだろうなとは思います。警察官はなんだか人間の嫌な部分を煮詰めたモノばかり見せられているようで、本当にしんどそうですね…。
Kindle Unlimited で読みました。
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