コンビニ人間

読んだ本

村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を読みました。
村田さんの小説は初めてです。

2016年の芥川賞受賞作です。一時期本屋さんに行くと常に平積みのところにおいてあった表紙なので、とても馴染み深いです。当時テレビか何かの特集で「コンビニで働いている女性の話」と聞いたことがあったのですが、そのレベルの前知識で読み始めました。

主人公の恵子は幼い頃から『ちょっと変わった』子供でした。公園で死んでいる小鳥を親に見せて「今日これを焼いて食べよう」、クラスメイトが喧嘩していて「誰か止めて!」と誰かが言ったのを聞いて喧嘩中のクラスメイトをスコップで殴ったり。
少しずつ、「自分は変わっているんだ」ということを認識し、どうやれば『普通』に見られるかを学びながら生きてきました。
大学進学を機に実家を離れ一人暮らしをはじめました。たまたま通りかかったオープン前のコンビニに惹かれ、スタッフとして働くことになりました。コンビニでの仕事は恵子にはとてもマッチしていて、彼女はコンビニ店オープン以後18年間アルバイトとして働き続けています。
ある日、新人アルバイトとして白羽という男性が入ってきました。彼は店の客にストーカーまがいのことをしたり、勤務中にスマホをいじったりと問題行動が多く、しばらくすると辞めさせられてしまいました。
ある日、恵子はばったりと白羽に会いました。彼はどうやら一人暮らしの家を家賃滞納で追い出され掛けているようでした。この頃、恵子は友人や妹から『結婚』『出産』などの予定をよく聞かれていて若干うんざりしていたのもあり、白羽を自分の家に住まわせることにして彼氏として妹に紹介しました。すると妹はおお喜びし、白羽が無職であることにも泣きながら喜びながら説教をしていました。
『普通』とはなんなのか、どうしたら『普通』になれるのか。恵子は長い間悩み続けていますが、答えはなかなか出ないようです。

Wikipedia では、芥川賞の選考で『おもしろい作品』として絶賛されていたようなんですが…。
もちろん、おもしろかったです。おもしろかったんですが、これ、『おもしろい』って言って大丈夫なのかな…と不安になります…。
この主人公の恵子、多分、精神科に行ったら何らかの診断がつく人じゃないですか…? 本人がそこまで生きづらさを感じていない(…のか…?)ので受診はしないかもしれませんが、幼い頃だったら親や先生がちょっと注意を払わなければいけない子じゃないんでしょうか…?
私も、今でこそ「そういう人もいる」と思えるようになりましたが、自分が小学生の時とかに恵子とクラスメイトだったらちょっと近づけないかもしれません…。
でも、恵子はちゃんと自分の特性を活かせる職を見つけて、ちゃんと社会の適応して生きていこうとしているのですごいなと思います。後半の『本部社員っぽい振る舞い』のときもちゃんとそれっぽくできていて、「店員じゃなくて本部に就職できないんだろうか…」とちょっと思ったんですが、そうなったらそうなったで恵子がつらい思いをするような気もしますね…。

私も大学のときコンビニでバイトしたことがあるんですが、コンビニって本当にやることがきちっと決まっているというか、挨拶の仕方もレジ打ちも掃除の仕方もきちんとマニュアル化されているので、ある程度の知能と常識がある人であれば誰でもちゃんとできるように作られていると思いました。逆に言えば、あんまり工夫の余地とかはないというか…。20年以上前のことなので、今とは違うかも知れませんが。今は覚えることもたくさんあって大変そうですよね。

最後まで読んで、「白羽がムカつくわ」と本当に思いました。なんなのアイツ。言っていることは分からないでもないです。「縄文時代云々」ってやつは、まぁそうかなと思うこともありますが。最近『話を聞かない男、地図が読めない女』とか読んでいたから、余計そう思います。

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だからといって、ああいう文句しか言わない輩は飛び蹴りしてやりたいくらいムカつきますね。しかもなんであんなに上から目線なの。腹立つわ。

まぁ、いつの時代でも特に日本では『普通じゃない』人は爪弾きにされますからねー。恵子は生きづらいかもしれませんが、自分が楽に楽しく生きていけるところを見つけて幸せに暮らしてほしいです。

…にしても、大学時代の回想から現在に場面が移ったとき、「私は36歳になり、お店も、店員としての私も、18歳になった」の一文にまじでビビりました(語彙力)。いつも耳読しているんですが、一回読み上げ止めて本文凝視しちゃいましたよ。いやー、びっくりした。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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