日向夏さんの『薬屋のひとりごと 11』を読みました。
先日の『薬屋のひとりごと 10』の続刊です。
表紙は空を見上げる猫猫と陸孫。羽ばたく鳥の翼も描かれています。この鳥は…翼が茶色なので鳩ではない? 茶色い鳩なのかな? それか陸孫たち一族が昔飼っていた他の鳥ですかね? それとも、単に『自由』の象徴ということでしょうか?
しかし、陸孫は本当に、本当にすごい人生を歩んできましたね…。DQ4 の勇者と同じような過去をお持ちで…。柔らかい物腰と人当たりの良さそうな性格は、復讐を隠すために身に着けた所作だったんですかね…。
以前読んだシャーロック・ホームズの緋色の研究もそうでしたが、10年以上も復讐のために(だけではないかもしれないけど)生きてきたのは辛かったでしょうね…。
猫猫と距離を取るためにわざと求婚したり、人の心を読む能力にも長けていますね。
陸孫の初登場は小説5巻、白娘々のショーを見に行ったときでした(確か)。
その時は、人当たりの良さそうな感じの人だな、というだけの印象でした。その後猫猫とダンスを踊ったり、なんかいろいろ絡んできたり、西都に行っちゃったり、いろいろ大変だなーなんて思っていたんですが。…まさかこんなにヘビーな過去を持つ重要人物だったとはね…。初登場のときからこういうことを想定して描いていたんですかね? 作家ってすごいな…。
今巻の最後の方で何やら燃え尽き症候群になりそうな気配がありましたが、姉さまの一喝でまだまだがんばるようです。ぜひそうしてほしい。このままいなくなっちゃったら、なんだか本当に野垂れ死にしてしまいそうで…。子翠とは違ってたくましく生きていってくれなさそうなので、今しばらく見える範囲にいてほしいです。辛かった分幸せになってほしいですが。
まー、その結果、前巻までですごく不穏な感じを醸し出していた玉鶯が、ようやくログアウトしました。なんというか、最期は意外とあっさりではありましたけど、ここでいなくなってくれてよかったですね…と思ってしまう。彼の兄弟とか子供とかでまだ怪しそうなのもいるかもしれませんが、一応の親玉が消滅してくれたので、不穏分子も少しはなくなったかな、という感じです。ずっとずっとなんだかモヤモヤしてたもんなー。
1つだけよくわからなかったんですが、今巻の序話は陸孫の幼いときの話ですよね?
その中に「父さまを目指してちょうだいね」というお母さんの言葉があるんですが、この『父さま』というのは誰のことを指しているんでしょうか? もちろん、陸孫のお父さんのことだと思うんですが、これは特定の誰かなんでしょうか? すでに出ている誰かだったりしますか? それとも、普通に『父親を尊敬しようね』的な、一般的な話ですか? わからん。
そういえば、戌の一族は女系なので男はほとんどいなくて…みたいな話でしたよね。ちょっと形態は違うけど、ゼルダの伝説のゲルド族みたいな感じですね。
話はちょっと変わりますが、途中で天佑が持ってきた腕、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 7』を思い出しました。悪ガキ4人衆がパーツを持ち寄ってゲームに参加する話です。
怖い怖い。こっちはそこまで猟奇的な話にはなりませんでしたけど、天佑の過去も少し出てきてそれも興味深いですね。ほんと、リアル世界では当たり前なんですが、みんなそれぞれにいろんな過去があってそれが複雑に絡み合ってその人を形成しているんだなーって。
西都では羅半兄が大活躍ですが、羅漢パパも結構いい味出してますね。『林小人』というネーミングといい(もっと早く言え、かもですが)、最後の采配といい。まー、「嘘は言っていない」ってことですかね? 「人を殺した賊を殺した」で、誰が『賊』で誰が『人』なのかを明らかにしてないだけですからね。
そして、雀さん。この人本当に何者なの…? アサシン? しかも、誰の命令なの…?
それにしても、今巻の壬氏さまはとってもかわいかったですね。『補充』て。すごく現代的。いやー、猫猫愛されてるなー。もはや直球投げられまくってますもんね。どーすんだろ。
いやー、謎は解けつつも次々と湧いてきますね。おもしろいです、本当に。
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